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[クラシック・ニュース 2010/2/14 - 2010/2/20]
2010年2月19日(金)
[コンサート&新譜CD情報] オルガン:水野 均
オルガニスト:水野均は日本大学カザルスホール・オルガニスト・イン・レジデンスとして同ホールのアーレント・オルガンをこれまで演奏してきた。
いよいよ3月一杯で日本大学カザルスホールは閉じる。コンサートの締めくくりと、永年親しんだ愛着のオルガンで新譜CDをリリースした。 優れたCDを数多く生み出してきた『N&F』レーベルの自慢の録音に数えられる。
《水野 均 オルガン・リサイタル2010》2010年2月20日(土) 14時 日本大学カザルスホール オール・バッハプログラム J. S. バッハ (1685-1750) ○前奏曲とフーガ ニ長調 BWV 532 ○協奏曲 イ短調 BWV 593 ○「バビロンの流れのほとりに」BWV653b ○幻想曲とフーガ ト短調 BWV 542 ○トリオ・ソナタ 第5番 ハ長調 BWV 529 ○コラール変奏曲「喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ」 BWV 768 ○トッカータとフーガ ヘ長調 BWV 540 http://www.soundgallery.jp/ ※このPDFのファイルからプリントして下さい。チラシとして活用できます。 http://www.inpfss-trinitas.jp/index.html
《バッハ at カザルスホール》◎演奏:水野均 ◎曲目: ヨハン・セバスティン・バッハ: 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV 532 「愛するイエスよ、我らここにありて」 BWV 731 協奏曲 イ短調 BWV 593 (原曲:A. ヴィヴァルディ / 『調和の霊感』 作品3-8, 2つのヴァイオリンのため の協奏曲 イ短調 RV522 ) 前奏曲とフーガ ニ短調 BWV539 コラール変奏曲「喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ」 BWV 768 ◇ボーナス・トラック スペイン・カタロニア民謡 編曲:パブロ・カザルス~ 水野均 鳥の歌 ◎録音:2009年8月15日〜17日 東京・カザルスホール ◎番号:N&F Co.,Ltd, Tokyo CD MF22202 ◎価格:定価 2,800円 2010年2月! 2010年2月18日(木)
日本の生んだ国際的作曲家:松下真一の評価をいまここに!
《松下眞一 歿後20周年 追悼演奏会》 2010年2月27日(土) 18時 京都市国際交流会館・イベントホール tel.075-752-3010 (地下鉄東西線「蹴上」駅下車、2番出口から南禅寺方向へ徒歩5分) ・松下眞一(1922-1990)は数学者として国際的に名を馳せながら、1965年からはハンブルクを拠点に、ヨーロッパの前衛音楽シーンで目覚しい活躍を見せた。 本公演は遺族の全面的協力のもと、全編図形楽譜による遺作《スペクトラ第5番》(1973)の世界初演、ピアノ奏者と打楽器奏者が一台の楽器を双方向から演奏する二重協奏曲《スペクトラ第3番》(1970、初演以来40年ぶりの再演)を含む、初期から晩年まで書き継がれたピアノ独奏のための連作《スペクトラ》全曲通奏初演であり、また作曲者歿後20周年にして初の追悼個展となる。松下とは同い年の親友であり、松下同様、高等数学を作曲に援用したヤニス・クセナキスのピアノ曲全曲も、併せて取り上げられる。
《松下眞一 歿後20周年 追悼演奏会》2010年2月27日(土) 18時 京都市国際交流会館・イベントホール ピアノ:大井浩明 打楽器助演:宮本妥子(※) 松下眞一:《可測な時間と位相的時間》(1957-60) 松下眞一:《スペクトラ第1番》(1964) 松下眞一:《スペクトラ第2番 〜日本神話にもとづく6つの断片》(1967) I. オノゴロ島、II. ヨミの国、III. 天照大神とスサノオの尊、IV. イナバ の国の物語、 V. 海幸・山幸の物語(海底の国)、VI. 天孫降臨 I. クセナキス: 《ヘルマ -記号的音楽》(1961) 松下眞一: 《スペクトラ第4番》(1971) --- 松下眞一: 《スペクトラ第3番 〜打楽器奏者助演を伴う※》(1971) I. クセナキス: 《エヴリアリ》(1973) 松下眞一: 《スペクトラ第5番 〜図形楽譜による》(1973/世界初演) I. クセナキス: 《ミスツ》(1980) 松下眞一: 《スペクトラ第6番》(1984/全6曲による通奏世界初演) I. 第一プレリュード、II.第二プレリュード、III. 過ぎ去りし夏の風のあ とに、 IV. 深い闇のなかの開裂、V. 器械体操、VI.モンソー公園の春 〈前売〉 学生¥2,000/一般¥3,000 〈当日〉 学生¥2,500/一般¥3,500(全席自由) 075-255-6586 concert.yoyaku@gmail.com http://www.active-kei.com/ http://ooipiano.exblog.jp/ http://www.yasukomiyamoto.com/ ※このPDFのファイルからプリントして下さい。チラシとして活用できます。
《大井浩明 Plaudite Amici VII》◎大井浩明/フォルテピアノ (ウィーン式Anton Walter +ロンドン式Jones-Round & Co) ◎曲目: ベートーヴェン:ソナタ第15番ニ長調Op.28『田園』 ベートーヴェン:ソナタ第21番ハ長調Op.53『ワルトシュタイン』 ベートーヴェン:ソナタ第23番ヘ短調Op.57『熱情』 ◎番号: MOCP10007 ◎価格:¥2,940 (税込) ◎発売日: 2010年02月20日 Enzo Recordings /販売 King International 2010年2月17日(水)
難曲のシューマン:4本のホルンのための小協奏曲(コンツェルトシュテュク)東響と 京響で競演!
ベルリンフィルの〈首席〉と〈元首席〉がソロで!
2、3月にかけて、東京交響楽団と京都市交響楽団で難曲と知られているシューマン:4本のホルンのための小協奏曲(コンツェルトシュテュク)を競演する。
東響は第1ホルンに現在ベルリンフィルの首席奏者のシュテファン・ドールと東響メンバーという布陣。一方京響はつい先日までベルリンフィルの首席として活躍していたラデク・バボラークを迎えて京響メンバーによる。 東響は東京と川崎で、京響は京都と東京(地方都市オーケストラ・フェスティバル参加)で行われる。 2つのオケの競演の場に立ち会えることが出来る。
2010年2月27日(土) 18時 サントリーホール 東京交響楽団 川崎定期演奏会第24回2010年2月28日(日) 14時 ミューザ川崎コンサートホール ※このPDFのファイルからプリントして下さい。チラシとして活用できます。 http://www.tokyosymphony.com/ 指揮:ラモン・ガンバ ホルン:シュテファン・ドール ホルン:竹村淳司 東響ホルン奏者 ホルン:ジョナサン・ハミル 〃 ホルン:上間善之 〃 ○シューマン/ラヴェル編:「謝肉祭」作品9より "前口上""ドイツ風ワルツ""間奏曲「パガニーニ」""ペリシテ人と戦うダー ヴィド同盟の行進" ○シューマン:コンツェルトシュテュック作品86 ○ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(全曲版)
京都市交響楽団第533回定期演奏会2010年3月27日(土)14時30分 京都コンサートホール・大ホール http://www.kyoto-symphony.jp/ ※このPDFのファイルからプリントして下さい。チラシとして活用できます。 地方都市オーケストラ・フェスティバル2010 京都市交響楽団2010年3月28日(日) 15時 すみだトリフォニーホール http://www.triphony.com ※このPDFのファイルからプリントして下さい。チラシとして活用できます。 ○プッチーニ:交響的奇想曲 ○シューマン:4本のホルンのための小協奏曲 ヘ長調op.86 ○R. シュトラウス:ホルン協奏曲第1番 変ホ長調op.11 ○ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調op.60 指揮:広上 淳一(常任指揮者) ホルン:ラデク・バボラーク 垣本 昌芳(首席) 京響ホルン奏者 澤嶋 秀昌 〃 寺尾 敬子 〃 2010年2月17日(水)
平日14時開演のコンサートに集客!新日本フィル『新クラシックへの扉』!
オーケストラの名曲を手軽な料金とあって多くの聴取を集めている。予想以上の反響を呼んで、券売も土曜日の公演と並んで順調である。演劇やミュージカルの世界では平日のマチネー公演は通常であるが、クラシック界では“大きな冒険”だった。 http://www.njp.or.jp/njp/
2010年2月19日(金)14時 すみだトリフォニーホール2010年2月20日(土)14時 すみだトリフォニーホール ○ラロ:スペイン交響曲 op.21* ○サン=サーンス作曲交響曲第3番ハ短調『オルガン付き』 op.78 指揮:井上道義 ヴァイオリン:郷古廉* オルガン:小林英之 一般 S席:¥4,000 A席:¥1,500 シルバー(65歳以上) S席:¥3,000 一般 S席:¥4,500 A席:¥2,000 シルバー(65歳以上) S席:¥3,500 http://www.njp.or.jp/njp/programinfo/2009-10/2010_0219_20.html ※このPDFのファイルからプリントして下さい。チラシとして活用できます。 2010年2月17日(水)
東京二期会オペラ劇場公演ヴェルディ「オテロ」、白井演出に見る感情の内面表出!
ゲネラル・プローベ公開!
東京二期会オペラ劇場公演ヴェルディ「オテロ」が2月17日から始まる。ゲネラル・プローベの様子を公開。
演劇界の気鋭白井晃を演出に起用する。オペラ演出2度目の白井晃の「オテロ」は演技のみならず舞台美術、照明を駆使して、人間感情のより内面的な表出に力を注いでいることがよくわかる。彼の最初のオペラ演出は2006年神奈川県民ホールの委嘱による一柳慧作曲のオペラ『愛の白夜』である。歌手たちの臨場感溢れる演唱や、合唱なども迫力満点である。ロベルト・リッツィ=ブリニョーリ指揮の東京都響の好演も特筆できる。
《オテロ オペラ 全4幕》 字幕付原語(イタリア語)上演台本:アリゴ・ボーイト(原作:ウィリアム・シェークスピア「オセロー」) 作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ 2010年2月17日(水)18時30分 東京文化会館 大ホール(JR上野駅公園口前) 2010年2月18日(木)18時30分 〃 2010年2月20日(土)14時 〃 2010年2月21日(日)14時 〃 上演予定時間:約3時間(一幕/75分 休憩/25分 二幕/75分) 指揮:ロベルト・リッツィ=ブリニョーリ 演出:白井 晃 装置:松井るみ 衣裳:前田文子 照明:齋藤茂男 合唱指揮:佐藤 宏 舞台監督:八木清市 公演監督:近藤政伸 キャスト
合唱: 二期会合唱団 管弦楽: 東京都交響楽団 入場料金(税込) S席¥16,000- A席¥13,000- B席¥10,000- C席¥8,000- D席¥6,000- E席¥2,000- 学生席¥2,000- お問い合わせ:03-3796-1831 http://www.nikikai.net/ ※このPDFのファイルからプリントして下さい。チラシとして活用できます。
2010年2月15日(月)
江藤光紀:東京音楽通信〔94〕 2010年1月
隠れ名曲を発掘
井上道義指揮東京都交響楽団第692回定期演奏会Aシリーズ〈日本管弦楽の名曲とその源流⑨〉――作曲家の別宮貞雄がプロデュースして、日本の現代音楽で定評のある名曲をそれと関連のある欧米の作品と組み合わせて聴かせる都響の同時代シリーズは、今年で5年目。今年は野田暉行・松平頼則・廣瀬量平・三木稔といった人々が取り上げられましたが、そのうち野田さんの回を聴きました(1月21日、東京文化会館)。野田暉行という名前を知らない人でも、合唱曲「空がこんなに青いとは」を作った人といえば「ああ」とうなずいてもらえるのではないでしょうか。池内友次郎・矢代秋雄に学び、芸大の院を出ると同時に母校で教べんをとった文字通り芸大アカデミズムの本流を行く作曲家ですが、それは当夜演奏された2曲の代表作、出世作となった「コラール交響曲」にも、尾高賞を受賞した「ピアノ協奏曲」にもよく表れています。 どちらも丁寧に書かれていて、仕上がりの職人芸的な高さには確かなものがあります。しかし一方で「コラール交響曲」には松村禎三の「交響曲」が、「ピアノ協奏曲」には三善晃や師である矢代秋雄の影が、ちらちらと頭をよぎります。実力がありながら今一つ地味な軌跡は、そうした影を払しょくしきれなかったところから来るのではないでしょうか。 後半はブリテンの「シンフォニア・ア・レクイエム」とベルク「ルル組曲」で、こちらの2曲については井上道義がいつもながらのチャーミングな指揮ぶり。楽しませてもらいました。でもなんでこの選曲になったのか、片山杜秀氏と野田氏自身のプレトークでも「はっきりした理由は分かりません」。がくっ。 プロデュースした別宮さんは、以前はプレトークをやっていたんですが、ここ数年姿が見えませんね。来年の1月定期はシリーズ最終回で、権代敦彦・田中カレン・西村朗の作品が挙がっています。都響年初の現代物に今後も期待。 http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/by_month/index.php?year=2010&month=1 男まさりの指揮者
マリン・オルソップ指揮読売日本交響楽団第489回定期演奏会――演奏や作曲ほどではありませんが、指揮の世界にも女性の進出が珍しくなくなりました。今は亡き岩城宏之氏の「女性は胸が邪魔になるから指揮には向かないんだ」という“珍説”に、私などもかつては「なるほど」と納得した口ですが、でっぷり肥えたマエストロでも棒さばきが軽快ってこともよくあるわけで、胸の大きさも腹の大きさも、指揮にはあんまり関係ないっていうのが結論。世界的に活躍する女性指揮者と言えば、シドニー生まれで現在はハンブルクのオペラ座を率いるシモーネ・ヤングとならび、アメリカを中心に活躍しボルティモア響の音楽監督を務めるマリン・オルソップあたりが筆頭にきそう。そのオルソップを読響が呼んでくれました(1月22日、サントリーホール)。 今年生誕100年ということで、ナクソスでバーバーの管弦楽曲を数多く録音しているオルソップが初共演に選んだ曲が「交響曲第一番」。抒情的なメロディーと豊麗なオーケストレーションがトレード・マークのバーバーは、とにかく聴きやすい。この曲もまだ20代の作品ですが、冒頭のテーマから勇ましい西部劇調でその後の展開も充実。演奏も全編をたっぷりした量感で押し通してくれました(オルソップがロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管といれたのがナクソスで楽しめます。http://ml.naxos.jp/album/8.559024)。 上記の録音からも分かると思うのですが、この人、音楽から浮かんでくるイメージは結構男っぽい。あまり男だ女だというのも何ですが、テンポに遊びが少なく、ずばっと筋を捉えてダイナミックに展開させてみせる。一方、抒情的な部分は割と淡白。後半の「巨人」(マーラー)にもそんな性格がよく出て、からっと気持ちのいい演奏会になりました。 リアリズムと抽象
飯守泰次郎指揮日本フィルハーモニー交響楽団第617回東京定期演奏会――日本フィル、低迷が続いている印象で私もしばらく足が遠のいていたのですが、一昨年ロシアの巨匠アレクサンドル・ラザレフを首席指揮者に迎えてからは上昇気流に乗っています。飯守泰次郎の振る定期に行ってみました(1月29日、サントリーホール)。前半は日本フィル・シリーズ再演企画として、まず小山清茂「管弦楽のための《鄙歌》第二番」が取り上げられました。日フィル・シリーズは以下のページに詳しい説明がありますが、http://www.japanphil.or.jp/orchestra/series/ リストの初期には傑作が綺羅星のごとく並んでいて、日本の作曲界に果たした貢献は図り知れないというくらい意義のある企画でした。作曲家も近年は海外にどんどんでていくとはいえ、シリーズにここ数年新曲が見られないのは残念ですね。 小山作品は「和賛」「たまほがい」「ウポポ」「豊年踊り」の四章からなり、民謡的なメロディーやリズムを中心に、オーケストラが土俗的な力を発散し、終章の熱狂へと高まっていきます。小山は難しい効果を狙ったり、奇をてらうようなことをせず、素材のもつ味わいを素直に引き出そうとする、いわば音楽におけるリアリズムの姿勢に貫かれています。 興味深かったのが、次の湯浅譲二の「交響組曲《奥の細道》」との対比。こちらは4楽章のそれぞれに芭蕉の俳句が添えられています。俳句と音楽は描写と呼ぶべき関連性を備えているとはいえ、芭蕉の美意識に基づく、観念に則った表現は、小山のリアリズムの対極にある抽象です。だからオーケストレーションも精緻で微細を極めます。 世界的な作曲家である湯浅らしい、いかにも偏差値の高い表現だとか、一方小山は海外に紹介されてももっぱらエキゾチシズムの文脈でしか理解されないというようなこととは別次元の問題で、同じ日本、伝統と言ってもこれだけ違うのが面白い。全然別の書法の曲をこういう形で聴くだけでも、それぞれの魅力が強く輝きます。 後半はブラームスの4番。ちょっとサウンドが薄いけれど、全体にエネルギーにあふれ、新生・日フィルは本物のよう。ラザレフとはプロコフィエフ交響曲全曲チクルスが進行中ですが、3月の4番も期待していいぞ。 強烈な催眠波が聴衆をノックアウト
アンサンブル・ノマド 第36回定期演奏会 時代を創造するパイオニアたちVol.2 〜春・ヤング・アメリカ――今回は妙に現代音楽づきましたが、決定打がこれ。戦後アメリカは、クラシックをミュージカル風に崩しジャズの要素を取り入れたバーンスタインとか、調性を生かしながらモダンにひねるバーバーみたいに、分かりやすいものばかりが演奏されますが、実は実験音楽も凄いんです。ヨーロッパ的な歴史意識が薄い分、ぶっとびぶりもはんぱじゃない。そんな脳髄直撃の実験音楽をこれでもか、と至近距離で炸裂させた今回のアンサンブル・ノマド定期、とても面白かった(1月31日、東京オペラシティ・リサイタルホール)。楽章を任意に選び、反復してもよいといういい加減さのヘンリー・カウエル「モザイク・カルテット」(1935)に始まり、いい加減さを増幅、各人が与えられた断片を勝手に選び、てんでばらばらに演奏する「26同時モザイク」(1963)だとか、情熱的ステップが千鳥足へと脱臼する「タンゴ?」(コンロン・ナンカロウ作曲)(1984)に挟まれて、アイヴスの「ヴァイオリン・ソナタNo.2」(1907)がモーツァルトみたいに聴こえます。 後半は単純なリズム・パターンをひたすら反復するモートン・フェルドマン「クラリネット5重奏」(1983)が、その強烈な催眠波で会場を制圧。40分以上の間、クラリネットと弦楽器がピアニッシモで淡々と単一音形を繰り返します。とはいえわずかな変化があり、またテクスチュアには青空のような透明度もあって、聴き惚れているうちにいつの間にか眠りの世界へと運ばれてしまうのです。聴衆の三人に一人はふか〜い睡眠に陥っていました。頭がすっきりして気持ちよかったです。はい。 最後はがらっと雰囲気を変えてスティーヴ・ライヒ「木片の音楽」(1973)。拍子木を叩くだけですが、異なるリズム・パターンが加わっていくたびに、律動は様々な表情を見せます。さっぱりした体に新鮮なパルスを撃ち込まれ、なんだかすごく元気になって帰りました。 江藤光紀(音楽評論)
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