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インタビュー@クラシック
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[クラシック・ニュース 2014/9/9- 2014/9/15]
2014年9月12(金)
桐五重奏団 創立40周年第26回定期演奏会を迎えて! ピアノ:弘中孝 「インタビュー@クラシック」で!
ピアノ:弘中孝
ピアノ:弘中孝

ピアノクインテットで創立40周年を迎える「桐五重奏団」の活動はほかに例を見ない長い活動を続けた室内楽団といえる。

「インタビュー@クラシック」でピアノの弘中孝が結成のいきさつなど語る。

「インタ ビュー @クラシック」
http://classicnews.jp/interview/index942.html

1974年民音の第1回「室内楽コンクール」が開かれるとき、師の斉藤秀雄の声がかっりで発足した。コンクール上位入賞によって大きな話題を呼ぶ出来事だった。これで第26回定期演奏会を開く。メンバー何人かは替わったがほとんど現有勢力で長期間の活動するなどなど非常にめずらしい。また多くのクインテットの作品にとり組んできた。

ピアニスト:弘中孝のCDについて話題がおよぶ。あたらしいCDではブラームスのヘンデルの主題による変奏曲とシューマンの交響的練習曲をカップリングした1枚、ブラームスのピアノ作品集という地味なレパートリーであるが、技術的に高い内容と奥行きの深い充実した演奏である。


公演情報

《荘村清志 ギター・リサイタル2014》「45年の軌跡」《桐五重奏団 第26回定期演奏会》   結成40周年記念
2014年9月25日(木)19時 浜離宮朝日ホール

弘中 孝 pf
久保陽子 vn
中村静香 vn 
店村眞積 va 
毛利伯郎 vc

  • シューマン:ピアノ五重奏曲 op.44
  • フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調

朝日ホールチケットセンター03-3267-9990
チケット価格:全席自由:一般¥4,000、学生¥2,000
チラシ(PDF/492KB)
※こちらのPDFを印刷して、チラシとしてご利用いただけます。

お問合せ:03-3565-6771
オフィスアルシュ
http://www.officearches.com

 

CD情報
《ピアノ:弘中 孝 ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ

1.《ピアノ:弘中 孝 ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ

  • シューマン:交響的練習曲》
  • シューマン:交響的練習曲 作品13(補遺付き)
  • ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 作品24

弘中 孝(ピアノ)

録音:2011年5月17日&18日、6月21日&22日 相模湖交流センターホール
販売:レグルス  
会社:KBTK-1009 
価格3,132円(税込)/2,900円(税抜)
※渋い重厚な味わいである。名演のヘンデルバリエーションといえる。

 


《ピアノ:弘中 孝 ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ

2.《ブラームス:ピアノ作品集 ピアノ:弘中孝》
ブラームス弾き続けて半世紀!待望の初ソロCD。

  • 3つの間奏曲Op.117
  • 6つのピアノ小品Op.118
  • 4つのピアノ小品Op.119
  • 2つのラプソディOp.79

弘中 孝(ピアノ)

録音:2007年3月9日−11日 水戸芸術館コンサートホール
販売:レグルス  
会社:KBYK-1006 
価格3,132円(税込)/2,900円(税抜)
※ブラームスの一音一音ていねいな心のこもった演奏が聴ける。

レグルス
http://www.regulus-classics.com/

試聴:ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)


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2014年9月12日(金)
東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 「インタビュー@クラシック」で指揮:準・メルクル!
指揮の準・メルクル
指揮:準・メルクル

東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」の公演がはじまる。

2014年9月10、11日に行われたゲネプロのステージ写真を掲載いたします。 「インタビュー@クラシック」で指揮の準・メルクルの記者会見での談話をごらんください。

「インタ ビュー @クラシック」
http://classicnews.jp/interview/index941.html

 


写真をクリックで拡大写真がご覧頂けます
スケッチ:桜井良夫
写真: 藪田益資
東京二期会オペラ劇場ヴェルディ《ドンカルロ》
 (2014年9月10日(公演日9月12、14日 キャスト))
東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真!1 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真!
 
東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真!
 (2014年9月11日(公演日9月13、15日 キャスト))
東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真!1 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真!
 
東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真! 東京二期会オペラ劇場モーツァルト「イドメネオ」ゲネプロ写真!
 

公演情報
アン・デア・ウィーン劇場との共同制作 東京二期会オペラ劇場 
《イドメネオ》


アン・デア・ウィーン劇場との共同制作 東京二期会オペラ劇場 
《イドメネオ》

オペラ全3幕 日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
台本:ジャンバッティスタ・ヴァレスコ
原案:アントワーヌ・ダンシェ『イドメネ』
作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

2014年9月12日(金) 15時 新国立劇場 オペラパレス
2014年9月13日(土) 15時 新国立劇場 オペラパレス
2014年9月14日(日) 13時 新国立劇場 オペラパレス
2014年9月15日(月・祝) 13時   新国立劇場 オペラパレス
 
(上演予定時間:約3時間30分)


スタッフ:

指揮:準・メルクル
演出:ダミアーノ・ミキエレット

装置:パオロ・ファンティン
衣裳:カルラ・テーティ
照明:アレクサンドロ・カルレッティ
演出補:エレオノーラ・グラヴァグノラ

合唱指揮:大島義彰
演出助手:菊池裕美子

舞台監督:村田健輔
公演監督:曽我榮子


キャスト
配役 9月12日(金)/14日(日)  9月13日(土)/15日(月・祝)
イドメネオ 与儀 巧 又吉秀樹
イダマンテ 山下牧子 小林由佳
イリア 新垣有希子 経塚果林
エレットラ 大隅智佳子 田崎尚美
アルバーチェ 大川信之 北嶋信也
大祭司 羽山晃生 新津耕平
倉本晋児(全日)


合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京交響楽団

入場料金(全席指定・税込)
S席¥18,000- A席¥14,000- B席¥10,000- C席¥8,000- ほか

お問合せ(チケットスペース):03-3234-9999
二期会チケットセンター:03-3796-1831
チラシ(PDF/3.3MB)
※こちらのPDFを印刷して、チラシとしてご利用頂けます。

東京二期会
http://www.nikikai.net/index1.html

試聴:オペラ「イドメネオ」
http://ml.naxos.jp/album/ABC4766350
ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)

 

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2014年9月9(火)
映画 《アルゲリッチ 私こそ、音楽!》9月27日から Bunkamuraル・シネマ ほかにて公開!
映画 《アルゲリッチ 私こそ、音楽!》

映画 《アルゲリッチ 私こそ、音楽!》

不世出の世界的ピアニスト:マルタ・アルゲリッチのドキュメンタリー映画《アルゲリッチ 私こそ、音楽!》が9月27日からBunkamuraル・シネマほかで上映がはじまる。

アルゲリッチの3女:ステファニー・アルゲリッチ(監督)の手による映画はエキサイティングで大変興味深い内容だった。 第3者では入れない部分までたどっている。

予告編 詳細 映画:《アルゲリッチ 私こそ、音楽!》
http://www.argerich-movie.jp/


映画情報

《アルゲリッチ 私こそ、音楽!》

監督:ステファニー・アルゲリッチ
製作::ピエール=オリビエ・バルデ  リュック・ピーター
撮影:ステファニー・アルゲリッチ  リュック・ピーター

キャスト
マルタ・アルゲリッチ
スティーブン・コバセビッチ
シャルル・デュトワ
リダ・チェン
アニー・デュトワ

映画 上映時間 96分

劇中で使用された主な楽曲

  • セルゲイ・プロコフィエフ /ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26. 第1楽章
  • モーリス・ラヴェル /夜のガスパール 第1曲「水の精 オンディーヌ」
  • ロベルト・シューマン /交響的練習曲 作品13. 第12曲
  • フレデリック・ショパン /ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品.11 第1楽章
  • フレデリック・ショパン/ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品.53「英雄」
  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/ピアノソナタ 第28番 イ長調 作品.101 第3楽章
  • ピョートル・チャイコフスキー(ニコラス・エコノム編曲) /組曲「くるみ割り人形」 作品.71a 2台ピアノ 第3曲「こんぺい糖の踊り」
  • フランシス・プーランク/2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 第1楽章
  • ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/ピアノソナタ 第15番
  • ハ長調k.545 第1楽章
  • フレデリック・ショパン/ワルツ 第6番 変ニ長調「小犬」
  • モーリス・ラヴェル/水の戯れ
  • アルベルト・ヒナステラ/「アルゼンチン舞曲」より 第1曲「年老いた牛飼いの踊り」
  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品.19 第3楽章
  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/ピアノソナタ 第23番 ヘ短調 作品.57「熱情」 第1楽章
  • モーリス・ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調 第2楽章
  • ヨハン・ゼバスティアン・バッハ/パルティータ 第4番 ニ長調 BWV828 アルマンド
    ※一部抜粋

試聴:アルゲリッチ
http://ml.naxos.jp/album/825646292608
(「アルゲリッチ&フレンズ - ルガーノ・フェスティヴァル・ライヴ2013」
ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)

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2014年9月9(火)
弘前バッハアンサンブル東京で!2015年にバッハの生地アイゼナハで!
指揮者・チェンバロ奏者:島口和子
指揮・チェンバロ:島口和子

9月14日(日)に東京・紀尾井ホールで弘前バッハアンサンブルの創立30周年記念演奏会が開かれる。9月6、7日、青森、弘前の公演を好評のうちに終えた。2015年にはヨーロッパ公演の計画が進んでいる。バッハの生まれたアイゼナハでは東京公演と同じ曲目を演奏する(他のヨーロッパの都市では「ロ短調ミサ」)。

弘前バッハアンサンブルは指揮者・チェンバロ奏者:島口和子を中心に1985年に創立した。3年後の1988年には東京公演をカザルスホールで開く。その後東京公演は毎年開いて、2003年から会場を紀尾井ホールに移して続けている。

海外公演も積極的におこない最初は1991年にヨーロッパで開いた。1993年にアメリカ公演、1996、2000年にふたたびヨーロッパ、2002年にはロシアツアー、2005年には創立20周年を記念してウィーン楽友協会ホールをふくんだヨーロッパ5公演という偉業も達成している。

来年のヨーロッパツアーは、前術のようにバッハの生地アイゼナハもふくめてドイツ、オーストリー、スイスなどで演奏会が開かれる。

海外で島口の弾き振りによるその音楽はバッハの精神性とその躍動感、歯切れのよさなど秀逸で、今や日本の地方都市で活動するバッハのアンサンブルという視点ではなく「真に国際性を持ったバッハ」と評価は高い。

弘前バッハアンサンブル
弘前バッハ・アンサンブル


コンサート情報
《弘前バッハアンサンブル 創立30年記念演奏会》

《弘前バッハアンサンブル 創立30年記念演奏会》
2014年9月14日(日) 14時 紀尾井ホール
.
島口和子(指揮・Cemb)

吉田 篤/澤 亞樹(Vn)
中村 潤(Vc)
小室昌広(Kb)
馬場正之/金子奈美(Fl)
宮田麻沙代/西沢勝則/森 明子(Ob)
石川 晃(Fg)
野田 亮/後藤慎介/秋宗章太(Tpt)
菅 雅晴(Hr)
井手上 達(Timp)

阿部陽子/森田征子/東 奈々/渡部春美(Sop)
岩谷みつ子/小山内佳子/川越説子(Alt)
山口正洋(Ten)
佐藤幸博/中野 豊(Bs)

◎バッハ:

  • カンタータ196 BWV196 “主は私たちのことを思っています”
  • カンタータ147 BWV147 “心と口と行いと生き方が”
  • マニフィカトD-Dur BWV243

チケット料金(税込)全席自由 3,500円
紀尾井ホールチケットセンター 03-3237-0061
詳細:お問合せ:0172-33-1539(島口)
チラシ(PDF/2.3MB)
※こちらのPDFを印刷し、チラシとしてご利用頂けます。


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2014年9月9日(火)
東京音楽通信〔166〕2014年8月

サントリー芸術財団の主催する現代音楽フェスティバルもすっかり夏の風物詩になりました。
今年は3つの公演をご紹介します。

サントリー・サマー・ フェスティヴァル

テーマ作曲家 パスカル・デュサパン ―― 今年のテーマ作曲家はフランスの大家デュサパン。8月21日に行われた管弦楽演奏会の模様(演奏:アレクサンダー・リープライヒ指揮東京交響楽団)。

一曲目はデュサパン・セレクションで才能ある若手作曲家の作品として、クリストフ・ベルトラン(ただしすでに物故)の「マナ」。雛壇を廃し、左右に扇状に広がるコントラバスの中に楽器を配置。それらが顫動する細かいフレーズの中で反応し、こだましあう。

二曲目はデュサパンの「弦楽四重奏第六番  ヒンターランド 弦楽四重奏とオーケストラのための”ハパックス”」。形としては前方にカルテットを配した協奏曲のようなスタイルですが、カルテットとオーケストラは協奏しあうというよりは、カルテットをオーケストラが拡張している感じ。アルディッティ・カルテットが大管弦楽を向こうに一歩も引かないパフォーマンスを見せたのはさすが。

後半はまずデュサパンが影響をうけた作品としてシベリウスの最後の管弦楽曲「タピオラ」。あまり上演されない曲だけれど、改めて聴くとモダンとロマンが不思議に解け合っていて独特の神秘的スタイルに感心。

最後に委嘱初演作、オペラ「ペンテジレア」からの抜粋を三楽章にまとめた「風に耳をすませば −ハインリ ヒ・フォン・クライスト原作のオペラ《ペンテジレーア》からの三つの場面」。ソプラノのナターシャ・ペトリンスキーが強靱な声帯を振り絞り絶唱を聴かせてくれました。

総じてデュサパン作品は完成度は高いのですが、残るものに今一つ欠ける気も。

区切り線

シュトゥクハウゼン「歴年」 ――  今年のフェスティバルの目玉は、国立劇場の演出室長を務めていた木戸敏郎のプロデュースでシュトックハウゼンが1977年に国立劇場で初演した「歴年」の再演。雅楽とパフォーマーのためのこの作品がきっかけとなって、のちに7つの曜日の名前を冠した7部からなる長大なオペラ「リヒト」が作曲されていきます。「歴年」もこの後、「火曜日」に取り入れられました。

今回の企画はまず「暦年」初演時の邦楽ヴァージョンを再演した後(8月28日)、歌手を加えた「歴年」洋楽器ヴァージョンともいうべき「火曜日」第一幕が演奏され(8月30日)、それぞれの日の後半に一柳慧、三輪真弘が作曲した、ほぼ同編成の新作の初演をつなげるというもの。

二つのヴァージョンを続けて聴くという体験は、作品自体の理解の深まりはもちろん、作曲家の創作の現場をのぞきみるようなわくわく感がありました。「リヒト」のミヒャエルとルツィファーの対立は、筋書きを読むだけではキテレツな印象しか受けませんが、実際の舞台はとても分かりやすい。洋楽器ヴァージョンが意外なまでに忠実に、雅楽のサウンドを模している点も興味深かった。

質 の点でいうと、やはりシュトックハウゼンにとってなじみのある洋楽器ヴァージョンが、精緻に作られていたように思います。ピッコロやサックスの長大なソロも聴き所だし、シュトゥックハウゼンの講習会に参加して、作曲家から直伝で奏法を教わった松平敬のバリトンが、倍音をうまく響かせたり、巻き舌を絡めたりと、含蓄に富んだ歌唱で存在感を発揮していました。シュトックハウゼンは理屈ではなく、感覚から理解するのが一番の近道。この点で、作品上演の機会が増えればイメージもおのずと変わっていくのではないか。そんな風に感じた公演でした。

器楽的なドラマトゥルギー

三善晃「遠い帆」 ―― 昨年秋に亡くなった三善晃の唯一のオペラ「遠い帆」。遣欧使節とし て400年前にローマを訪れた支倉常長を主題にしたこの作品、筆者は未聴だったので、機会を逃してはならじと新宿へ(8月24日、新国立劇場中劇場)。

形式面で三善がとった語り口という点では、この作品はオペラというよりも、むしろオラトリオに近いかもしれません。オーケストラは終始厚塗りに鳴っていて、合唱の比重も高い。登場人物たちの内面の葛藤に焦点があたり、物語は抽象化され描写性や身体性は希薄。

「遠い帆」はサントリー音楽賞を受賞しましたが、受賞の言葉で三善は”自分が書いてきたのは劇だったのか””私は果たしてオペラを書いたのだろうか”と繰り返しのべています。オペラという西欧の劇の形式にのっとったというよりも、三善が得意としたオ ーケストラ曲や合唱曲に近いということを意味しているのでしょう。

その意味ではこれは、「レクイエム」や「響紋」の流れの中に置くべき作品かもしれません。オーケストラは常に音によるドラマを描き、そこに合唱がオーラのように被さって、久々に三善ワールドをたっぷりと味わいました。

易しい曲ではないはずですが、佐藤正浩指揮仙台フィルの佳演に加えて、地元仙台市民で構成された合唱団も健闘していました。

凄演連発の予感

サイトウ・キネン・フェスティバル松本 小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ シンフォニーコンサート ―― 小澤さん、完全復調とはいかないまでも、かなり回復してきたようです。筆者 は東京で聴けていないので、松本まで足を延ばすことにました(8月31日、キッセイ文化ホール)。

手術をしてからめっきりお年を感じるようになってしまったので、枯れた芸風を想像して「幻想交響曲」に臨んだのですが、やはりきびきびと若々しいというのが、小澤さんのスタイルなのでしょう。この日も第二楽章がやや遅めのテンポで、以前ならもっと流れるんだろうなと思いましたが、様式上で目立った違いを感じたのはそこらへんのみ。全編に強烈なエネルギーがあふれていました。

もっとも、これには小澤さんの意図を汲むというか、流れを先に読むオーケストラの献身的な姿勢が大きく寄与していたと思います。3楽章を寸分の緩みなく、かつ雄大に聴かせたあと、 4楽章から終楽章にかけて巨大なうねりを作ったのには、思わず胸が熱くなりました。

オーケストラ芸術には、演奏者の心が一つに合致したときに想像を絶するパフォーマンスが生じる瞬間があります。そういう迫力を感じました。前半は指揮者なしでモーツァルトの「グラン・パルティータ」。名手たちの気持ちよい演奏でしたが、細かなほつれもみられたので、指揮者がいたほうがよかったのでは。

江藤光紀(音楽評論)

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