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[クラシック・ニュース 2016/6/14〜 2016/6/20]
2016年6月15日(水)
東京音楽通信〔198〕 2016年5月後半
昭和と現代音楽と 

下野竜也指揮新日本フィルハーモニー交響楽団 第559回定期演奏会 ―― 1950年代から60年代にかけての日本の管弦楽曲の傑作を集めたプロ。早くに亡くなった矢代、そして黛、さらに2013年の三善の物故を持って、現代音楽史のページが一つめくられたという感を強く受けます(5月28日、すみだトリフォニーホール)。

そのことは最初の「管弦楽のための協奏曲」(三善晃)から、演奏にもはっきりと刻まれていました。複雑な変拍子が超高速で続く三善の管弦楽曲は難曲の代名詞でしたが、ラジオ体操のように元気に迷いなく振る下野、プラモデルを組み立てるかのように進める奏者たち。日本のオケはこの半世紀で、とてつもなくうまくなった。

続いて矢代秋雄「ピアノ協奏曲」。ここでは独奏にドイツのトーマス・ヘルを起用したのがポイント。中村紘子をはじめ、これまでは日本人が弾くのが通り相場でしたが、外人の目でとらえた矢代像は、リズムのとりかたにしてもソノリティーにしても、これまでとは違う相貌を浮き彫りにして新鮮でした。

黛敏郎「涅槃交響曲」。鐘の音の管弦楽へのトレースや、空間を生かしたサウンド・エフェクト、お経の合唱への移し換えなどのアイディアの数々をしっかりと整理し、的確に再現していく。スコアを見切ったリードには、同時代人が初演当初に受けた衝撃はなく、ユニゾンが12声部にまで分かれていく楽章(首楞厳神咒)などは、まるで細胞分裂のように整然として見事なものです。フィナーレでは音のお花畑の中に声明の歌声が響きわたる。

作品はいずれ作曲家の手を離れ、初演時の興奮も忘れられ、書かれたものとして歴史化される。それを痛感した演奏会でした。


「©K.MIURA」提供:新日本フイル



なで肩のチャイコフスキー

クシシュトフ・ウルバンスキ指揮東京交響楽団 第640回定期演奏会 ―― この間まで東響首席客演指揮者だったウルバンスキが定期に再登場(5月28日、サントリーホール)。

前半はアレクサンドル・ロマノフスキーのソロでプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第三番」。ロマノフスキーは大柄で手も大きく、ヴィルトゥオジティが前面にでてくる曲では、そうした物理的な強みが生きる。骨太の造形力でスケールの大きな演奏でした。ウルバンスキは緻密なリードが持ち味、独奏とオケを対置するのではなく、両者をうまく接続しながら、巨大なオケから重要なパートを必要に応じて浮き立たせるなど、細やかな配慮が光った。ラストの追い込みはかなりアップテンポで、ロマノフスキーの目の覚めるようなテクニック、結尾を一丸となって制圧したホルン軍団が印象的。

後半はチャイコフスキー「交響曲第四番」。こちらはウルバンスキの音楽性がダイレクトにでて興味深かった。第一楽章。レガートをよく効かせたメロディーはなめらかで、角が立たず流麗に進む。テンポの変化も長いスパンでじわじわと持っていき、フォルティッシモも響きが飽和しないように抑制的。静かにほほ笑むなで肩のチャイコフスキー、とでも言ったらいいか。

第二楽章も第一楽章と対照するのではなくて、同じ気分がずっと続く。ピッチカートの第三楽章も全然弾まずにしっとりと処理するので、この辺までくるとちょっとびっくりしたけれど、要するにそれがウルバンスキの個性なんでしょう。演奏のクオリティにも納得させられてしまう。第四楽章も程良く綺麗に鳴らしましたが、ここらへんにくると慣れてきました。けれど、どこか少女マンガを連想してしまう演出でした。

クシシュトフ・ウルバンスキ指揮東京交響楽団 第640回定期演奏会 クシシュトフ・ウルバンスキ指揮東京交響楽団 第640回定期演奏会
クシシュトフ・ウルバンスキ指揮東京交響楽団 第640回定期演奏会  
(C)池上直哉/東京交響楽団


あふれでる歌心

都民劇場 ヤニック・ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア管弦楽団 ―― このコンビはネゼ=セガン就任直後の2014年にも来日。「強力なコンビが現れたな」というのがそのときの印象でしたが、今回はさらに磨き込まれた芸が見られました(5月31日、東京文化会館)。

前半はベートーヴェン/マーラー編で「セリオーソ」。原曲に忠実な編曲ですが、かえって原曲のイメージに引きずられて入り込めず。第二楽章あたりから徐々になじんできた。

ネゼ=セガンの美質は、声部をうまくコントロールしてつないでいって、流れを常に躍動させ、弾ませるというところ。オーケストラをまるでマリオネットのように自在に操る、その緻密さに尽きる。この曲はもともと弦楽四重奏ですから声部も限られ、楽々としたものです。物理的に拡大されているだけといえばいえる編曲ですが、人数が増え迫力が増す分、意思統一が難しくなる。そこのところを司令塔がきっちり指示してひっぱっていく。

後半はブルックナー「交響曲第四番 ロマンティック」。畏れ入りました。曲が巨大なのに、いろんな解釈が次々にでてきて、アイディアのデパート状態。最後までクリアに見通してやってます。

テンポ、バランスを細かく切り替えるネゼ=セガンのドライブに、ぴったりとついてくるオケの優秀さにも舌を巻いた。終楽章など、作り込みながらも金管をたっぷりと歌わせて、それはもう大したものでした。

あまりにもうまいので、半ば憎まれ口のような感想になりますけれど、本来無骨で鈍重なブルックナーがここまでスタイリッシュに、どんな難所も綺麗に解きほぐされると、もはやこれはブルックナーではないのではないか、という思いすら浮かんできます。ネゼ=セガンのカリスマ性がいまや他と比肩できぬレヴェルに達していることを証明した演奏。いやはや。


13年ぶりに宝刀を抜く

ユーリ・テミルカーノフ指揮 サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団 来日公演 ―― 2003年にこのコンビが来日したとき、この時評はまだ始まったばかり。筆者も彼らの演奏を聴くのは初めてだったと思います。そのときの「レニングラード」(ショスタコーヴィチ)には度肝を抜かれました。金管を中心とする巨大な音響に、頭を鷲掴みにされ、右に左にぐわんぐわんと揺さぶられる――比喩ではなく、本当にそんな感じがしたものです。

それ以来、テミルカーノフの演奏は読響への客演も含め何度も聴いてきました。もちろん毎回感心し、感動してきたのですが、あのときの衝撃には届かなかった。今回、両者の来日で再び「レニングラード」が取り上げられるということで、期待に胸を膨らませて出かけました(6月2日、サントリーホール)。

体験というのは記憶の中でいつの間にか増幅されるもので、最初の時のような衝撃はなかったけれども、やっぱりこれは凄い演奏には違いない。第一楽章で主題提示があった後、例の長大なクレッシェンドが始まる。さすがはロシアを代表する団体という感じで、強奏になったときのサウンドの圧が凄い。

配置が通常と違いコントラバスを左奥に持ってきて、開いた右側に金管を固めて配置。確かスコアは金管を2群に分割していたんでは? でも、固めたのが効果的です。マッスのパワーが生きてくる。

第二楽章以降もこなれていました。3楽章はアダージョとラルゴから構成される遅い楽章ですが、中間部でテンポが上がり、激しく盛り上がる場面では、弦の鋼のようなオスティナートの上を金管が吠える。地響きがしそうなこのダイナミズムは彼らでないと出せないでしょう。

終楽章もたっぷりとした音響が会場を満たす中、冒頭の主題が回帰する。これだけがんがんに鳴らしておいて、終演後のカーテンコールはあっさり。このクールぶり。ギャップもたまりません!

ユーリ・テミルカーノフ指揮 サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団 来日公演 ユーリ・テミルカーノフ指揮 サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団 来日公演
写真 / テミルカーノフ&サンクト・フィル 2016年5月30日公演より 写真提供:サントリーホール
江藤光紀 (音楽評論)

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2016年6月15(水)
ピアノ:奈良希愛 シューマンによせて楽譜にかかれていない意味を探る! 「インタビュー@クラシック」で! 
ピアノ:奈良希愛
ピアノ:奈良希愛

ピアニスト:奈良希愛がよせるシューマンへの想いから、これまでソロとアンサンブルで交互にコンサートを開いてきた。

シューマンによるリサイタルをまじかにひかえ「インタビュー@クラシック」で!

「インタ ビュー @クラシック」
http://classicnews.jp/interview/index1092.html

奈良希愛にとって「シューマンとは」という大きな命題がある。シューマンの楽譜の中に書かれているより以上の深い意味を読み解いてゆく難しさと、あわせてそこに大きな魅力を感じる。

シューマン国際コンクールのピアノ部門に第一位を得て、シューマンへの思いが強く高まる。

彼女はドイツに学びそこを足場にして、他の国々の文化を吸収することにより自分に大きな蓄えを作る。

最近は身体の使い方や呼吸法によって、音楽表現上どのようにつながりが生じるのかを研究テーマにしているというような話題を語る。


コンサート情報
《奈良希愛 ピアノリサイタル 2016》

《奈良希愛 ピアノリサイタル  2016》
2016年6月26日(日)14時 Hakuju Hall(白寿ホール)

  • シューマン:幻想小曲集 Op.12
  • シューマン:クライスレリアーナ(8つの幻想曲) Op.16
  • シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17

料金:全自由席 一般¥4,000、学生¥2,500
東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650
お問い合わせ:03-3501-5638
ミリオンコンサート協会
http://www.millionconcert.co.jp/index.html
チラシ(PDF/1.82MB)
※こちらのPDFを印刷して、チラシとしてご利用いただけます。

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2016年6月15(水)
ピアノ:鷲見加寿子 指導者として率先して演奏活動に! 「インタビュー@クラシック」で! 
ピアノ:鷲見加寿子
ピアノ:鷲見加寿子

ピアノの鷲見加寿子は東京音楽大学を退任して初めてのリサイタルを開く。
 
その意図は指導者として身をもって演奏の場に臨むという考え方による。「インタビュー@クラシック」で!

「インタ ビュー @クラシック」
http://classicnews.jp/interview/index1091.html

今回のコンサートでは子息のコントラバス奏者:鷲見精一との共演からシューベルトのピアノ五重奏曲「鱒」を決める。得意のロマン派のシューベルトからソナタ二曲でプログラミングした。

鷲見家は音楽一家としてヴァイオリンの三郎、四郎、ピアノの五郎という兄弟で知られている。加寿子は鷲見四郎の娘でピアノを学ぶ。ヴァイオリンは鷲見三郎の孫にあたる鷲見恵理子が加わる。ヴィオラ:榎戸崇浩、チェロの金子鈴太郎という若手のこれからを期待される人材を起用した。石坂浩二のトークを交えたリラックスしたコンサートをプランニングする。

鷲見加寿子は教育者としてもこれまでにピアニストの小菅優、つい先日の第62回マリア・カナルス国際音楽コンクールで第一位になった佐藤彦大など、彼女の手による新しいピアニストが誕生している。


コンサート情報
《鷲見加寿子ピアノリサイタル 〜シューベルトの夕べ》

《鷲見加寿子ピアノリサイタル  〜シューベルトの夕べ》

出演

  • 鷲見加寿子(ピアノ)

  • 鷲見恵理子(ヴァイオリン)
  • 榎戸崇浩(ヴィオラ)
  • 金子鈴太郎(チェロ)
  • 鷲見精一(コントラバス)
  • 石坂浩二(トーク)

オール・シューベルト・プログラム

  • ソナタ第13番 イ長調 Op.120 D664 A-Dur
  • ソナタ第4番 イ短調 Op.164 D537 a-moll
  • ピアノ五重奏曲 イ長調 Op.114 D667 「鱒」

チケット価格 全席自由:¥4,000
お問い合わせ:03-3501-5638
ミリオンコンサート協会
http://www.millionconcert.co.jp/
東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650
チラシ(PDF/2.59MB)
※こちらのPDFを印刷して、チラシとしてご利用いただけます。

試聴:鷲見加寿子 ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)
http://ml.naxos.jp/KeywordSearch2.aspx?word=%E9%B7%B2%E8%A6%8B%E5%8A%A0%E5%AF%BF%E5%AD%90

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2016年6月14(水)
桐五重奏団第27回定期演奏会をひかえて! 「インターネット@クラシック」でチェロの毛利伯郎!
チェロ:毛利伯郎
チェロ:毛利伯郎

40年をこえる活動の桐五重奏団が第27回の定期演奏会を迎える。 チェロの毛利伯郎が「インターネット@クラシック」で語る。

「インタ ビュー @クラシック」
http://classicnews.jp/interview/index1090.html

桐五重奏団は桐朋学園を卒業したメンバーで室内楽コンクールに出るために師の斎藤秀雄氏のアドバイスによって生まれた。

チェロは藤原真理、安田謙一郎を経て、毛利伯郎になって30年の間、同じメンバーによって演奏を行っている。あまり演奏されない曲にも取り組んでいるのが彼等の素晴らしい活動である。

第27回の定期演奏会の聴きどころにも触れる。


コンサート情報
《桐五重奏団 第27回定期演奏会》

《桐五重奏団 第27回定期演奏会》
2016年7月16日(土) 14時 東京文化会館小ホール

  • サンサーンス:ピアノ五重奏曲 イ短調 op.14
  • ドホナーニ:ピアノ五重奏曲 第1番 ハ短調 op.1

桐五重奏団

  • ピアノ:弘中孝
  • ヴァイオリン:久保陽子
  • ヴァイオリン:中村静香
  • ヴィオラ:店村眞積
  • チェロ:毛利伯郎

全席自由 一般前売4500円/当日5000円/学生2500円
東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
お問い合わせ:03-3565-6771
オフィスアルシュ
http://www.officearches.com
チラシ(PDF/1.07MB)
※こちらのPDFを印刷して、チラシとしてご利用いただけます。

桐五重奏団
http://kuboyoko-violin.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06


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