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[クラシック・ニュース 2016/9/6〜 2016/9/12]
2016年9月10日(土)
東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》2016年9月10日から!

東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演、R.ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》9月10日から始まる。
ゲネラル・プローベの様子をスケッチと写真でお届けします。


写真をクリックで拡大写真がご覧頂けます
スケッチ:桜井良夫
写真: 藪田益資
東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロスケッチ
 9月8日ゲネラル・プローべの撮影は公演日9月10日、9月18日のキャストです。
東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ
 
東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ      
 9月9日撮影のキャストは  公演日 9月11日、17日です。
東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ
 
東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ 東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場と提携公演  ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 ゲネプロ  
 

公演情報
東京二期会オペラ劇場 R.ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》

東京二期会オペラ劇場
R.ワーグナー 《トリスタンとイゾルデ》 
東京二期会オペラ劇場 ライプツィヒ歌劇場との提携公演 

オペラ全3幕 日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演
台本・作曲:リヒャルト・ワーグナー

公演日

2016年9月10日(土) 14時 東京文化会館 大ホール
2016年9月11日(日) 14時 東京文化会館 大ホール
2016年9月17日(土) 14時 東京文化会館 大ホール
2016年9月18日(日) 14時 東京文化会館 大ホール


上演予定時間:約5時間(休憩2回含む)

スタッフ:

指揮:ヘスス・ロペス=コボス
演出:ヴィリー・デッカー

演出補:シュテファン・ハインリッヒス
舞台美術:ヴォルフガング・グスマン
照明:ハンス・トェルステデ

音楽アシスタント:角田鋼亮
合唱指揮:大島義彰
演出助手:家田 淳
舞台監督: 幸泉浩司
公演監督: 大野徹也


キャスト
配役 9月10日(土)/18日(日)  9月11日(日)/17日(土)
トリスタン ブライアン・ レジスター 福井 敬
マルケ王 清水那由太 小鉄和広
イゾルデ 横山恵子 池田香織
クルヴェナール 大沼 徹 友清 崇
メロート 今尾 滋 村上公太
ブランゲーネ 加納悦子 山下牧子
牧童 大野光彦 秋山 徹
舵取り 勝村大城 小林由樹
若い水夫の声 新海康仁 菅野 敦


合唱:二期会合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団

入場料金(税込)
S席¥15,000 A席¥13,000- B席¥10,000- C席¥8,000-
D席¥6,000- 学生席¥2,000-

入場券に関してお問合せください。
チケットスペース:03-3234-9999
二期会チケットセンター:03-3796-1831
東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650  

チラシ(PDF/2.66MB)
※こちらのPDFを印刷し、チラシとしてご利用いただけます。

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2016年9月6(火)
ピアノ:浅野真弓 レクチャーコンサートで お得意のショパンを! 「インタビュー@クラシック」!
ピアノ:浅野真弓
ピアノ:浅野真弓

銀座ヤマハホールで開かれる野村三郎氏の「ショパンとその時代」と題するレクチャーコンサートで、演奏を担うピアノの浅野真弓がお得意とするショパンを演奏する。
「インタビュー@クラシック」で語る浅野真弓

「インタ ビュー @クラシック」
http://classicnews.jp/interview/index1106.html

桐朋を卒業後、ドイツのマンハイム国立音楽大学に留学して研鑽に励み、マリア・カナルス国際コンクールで第3位入賞。津田ホールでのソロ・リサイタル。N響メンバーとの室内楽、ウィーン・フィル首席チェリストとのCDをリリースした話や、今後の在り方に話題がおよぶ。


コンサート情報
レクチャーコンサート野村三郎 浅野真弓

レクチャーコンサート野村三郎 浅野真弓
2016年09月20日(火)19時 銀座・ヤマハホール  

野村三郎(講演)
浅野真弓(ピアノ)

講演:ショパンとその時代

演奏  ショパン ピアノ作品から

  • バラード第1番ト短調 Op.23
  • 3つのマズルカ Op.59 より 第2番 変イ長調 第3番 嬰ヘ短調
  • ポロネーズ 変イ長調 OP.53「英雄」
  • ノクターン 変ニ長調 Op.27-2
  • ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2
  • スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31

お問い合わせ:ヤマハ銀座店 インフォメーション:03-3572-3171
チラシ(JPG/203KB)
※チラシの大きな画像データがご覧になれます。


CD情報
《グリーグ&ショパン:チェロ・ソナタ/ヴァルガ、浅野真弓》

《グリーグ&ショパン:チェロ・ソナタ/ヴァルガ、浅野真弓》

曲目

  • E.グリーグ:チェロ・ソナタ イ短調 作品36
  • F.ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 作品65

タマーシュ・ヴァルガ(チェロ)
浅野真弓(ピアノ)

録音: 2014年11月/スタジオ・バウムガルテン(ウィーン)
会社:カメラータトウキョウ
番号:CMCD-28319
税抜価格: 2,800円

http://www.camerata.co.jp/music/detail.php?id=1348http://www.camerata.co.jp/music/detail.php?id=1348

注:「レコード芸術」特選盤(2015年7月号)、読売新聞推薦盤(2015年6月)

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2016年9月6(火)
故:ピアノの巨匠:園田高弘をたたえてメモリアルシリーズ2016年! 旬のピアニストたちが集う!
故:ピアノの巨匠:園田高弘
故:ピアノの巨匠〜園田高弘

2004年10月7日、現役ピアニストの最高峰巨匠:園田高弘が没した。

彼の薫陶を受けた旬のピアニスト″が命日に集い、園田氏の得意だた分野を演奏する。

師の偉大だったことを偲び、これからのピアニストのあり方を考えるコンサートになることを願う。


コンサート情報
故:園田高弘のメモリアルシリーズ2016 ベートーヴェン選集第3回

故:園田高弘のメモリアルシリーズ2016
ベートーヴェン選集第3回
2016年10月9日(日)14時 JTアート ホール アフィニス

ベートーヴェン

  • 平井千絵:ソナタ「月光」Op.27-2
  • 川井綾子:ソナタ 第18番 Op.31-3
  • 杉目奈央子:ソナタ「テンペスト」Op.31-2
  • 宮田理生:エロイカ変奏曲Op.35
  • 大崎結真:ソナタ第30番Op.109
  • 青柳晋×松本和将:4手の為の大フーガ Op.134

入場料:3,000円(全自由席)
お問合せ(スピカ):03-3978-6548 
東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650
チラシ(PDF/774KB)
※こちらのPDFを印刷し、チラシとしてご利用いただけます。

試聴:NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)


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2016年9月6(火)
DVD紹介:《ウェーバー/オペラ映画『魔弾の射手』全曲》ハーディング指揮
《ウェーバー/オペラ映画『魔弾の射手』全曲》ハーディング指揮 《ヨーゼフ・カイルベルト指揮プラハ・ドイツ・フィル》

曲目:歌劇『魔弾の射手』全3幕
作曲:ウェーバー

出演:ミヒャエル・ケーニヒ(マックス)、ユリアーネ・パンゼ(アガーテ)、ミヒャエル・フォッレ(カスパール)、レグレ・ミューレマン(エンヒェン)、フランツ・グルントヘーバー(オットカール)、ベンノ・ショルム(クーノー)、オラフ・ベーア(キリアン)、ルネ・パーペ(隠者)

楽団:ロンドン交響楽団
合唱:ベルリン放送合唱団
指揮:ダニエル・ハーディング
監督:イェンス・ノイベルト

製作 2010年、ドイツなどで撮影

録音:ロンドン〜アビーロード・スタジオ/ベルリン〜テルデックス・スタジオ、サレアリス・サウンド・スタジオ
会社:Arthaus
番号:108097(Blu-ray Disc)
定価:オープン価格(輸入盤)

冒頭は操り人形師が子供に語りかける場面で始まるが、ノイベルト監督の演出による映画版のオペラはナオポレオン時代に設定されている。序曲では戦闘の場面が描かれ、アガーテはその様子に不安に捉われている。しかしオペラの本編に入ると男声主役陣はマックスをはじめとして、軍人姿で活躍して近世の物語を想像させるものの、いかにもドイツの奥深い森の中の出来事としての違和感は少ない。また「狼谷の場面」ではエコー効果に加えて鐘の音や狼の遠吠えも聞こえるなど、凄まじい光景はさすがに映画ならではの不気味さがある。

それにしてもこの演奏は脇役まで歌手陣がなかなか充実している。とりわけケーニヒが扮するマックスの自信のなさにつけ込むフォレの不気味なカスパールの表現など、役柄が大胆に描き出されている。そして恋人マックスを思うパンゼのアガーテの確かな歌唱も本領を発揮していて、第二幕のアリア「まどろみが近寄るように・・・静かに、清らかに」には情感がこもっている。

ハーディングの指揮はダイナミックな推進力にあふれ、音楽を前へ前へと進める若々しいエネルギーが気持ち良い。

原語のドイツ語演奏ながら、ノイベルト監督の台本構成やオリジナリティが考慮されてか、タイトルは『魔弾の射手』ではなく、英語で“Hunter’s Bride”になっている。

野崎正俊(音楽評論家)

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2016年9月6日(火)
東京音楽通信〔202〕 2016年8月  海外情報 バイロイト音楽祭(その2)

今回のバイロイト滞在も後半戦。

「ジークフリート」(8月23日)

間を一日おいての指環の続き。 アメリカのラシュモア山の大統領像の巨大彫刻よろしく、 マルクス、レーニン、スターリン、 毛沢東の顔を刻んだ絶壁が高さのある舞台を埋め尽くす。 とにかく壮観で、 ふもとにキャンピングカーを止めて鍛冶にいそしんでいるミーメが 米粒みたいに見えます。 ラシュモアのあたりはかつてインディアン― 今はアメリカ先住民っていうんですか― との抗争やゴールドラッシュがあったところなので、金が石油に、 アメリカ資本主義のリーダーが共産主義のリーダーに、 という読み替えなんでしょう。

そこにジークフリートがクマを連れて帰ってくるわけですが( 写真1)、ここでは首に鎖を付けられた男が現れて、 本や新聞を読んだり、食堂でつまみ食いしたりする。 何が言いたいんだろう?

ノートゥンクの破片から剣を鋳なおす場面では、 ジークフリートは箱の中からマシンガンの部品を出して組み立てて いく。 これは後にバババババと激しい音と閃光を発しファーフナーをハチ の巣にするんですが、ともかくすさまじい音量で、 音楽は聞こえず代わりに煙の臭いが客席後方にまで伝わってきまし た。これとは別に出てきた剣には意味があったんだろうか。

巨大舞台はやはり回転し、ベルリン・アレクサンダー広場となる。 ジークフリートは踊り子の恰好をした小鳥とちょっとエロティック なやり取りをしていて(写真2)、一方ファーフナーは「 ラインの黄金」の時と同様、大蛇ではなく普通の男として、 女たちを侍らせながらゴロツキみたいに暮らしている。 エルダも街娼になっていて、 要するに偉大なる共産主義の系譜と表裏一体となったアレックスは 、生々しい性の欲望を象徴している。 そこらへんをあくまでもおバカに、 面白おかしく描いているわけです。

で、筆者も話には聞いていた最終幕のワニのファックに至るわけ。 巨大な口でなんでも飲み込んでしまうワニを資本主義的な欲望に見 立てるのは、われらが岡崎京子のバブル期の名作「Pink」 が先取りしているぞ。欲を言うと自動走行するこのワニ、 クオリティがいまいち。円谷プロにでも頼めば、 もっと凄いのができるだろうに。

幕が下りると、これでもかってくらい執拗なブーイングの嵐が。 確かにこれは読み替えのレヴェルすら通り越しているよなあ。 巨額製作費を投じたB級スペクタクル「 なんちゃってジークフリート」だったら納得するかも。 もうこの演出も4回目で、 客もブーイングも含めて楽しんでいる感じがします。

もはやすっかりオペラから遠く離れてしまったわけだけれど、 一番悩ましいのは、音楽が素晴らしいってことなんだよね。 ワーグナーの管弦楽法はますます円熟味を増し、 ヤノフスキ率いる祝祭管が鮮やかに鳴らしてみせる。 シュテフファン・ ヴィンケのジークフリートは粗野な若者の怒号ような歌い語りから 、母親への甘い思慕やブリュンヒルデとの情熱的な愛の交感( 写真3)まで自由自在。 フォスターのブリュンヒルデは相変わらずの貫録で、「 ヴァルキューレ」 で調子が出ていなかったルンドグレンのヴォータン(さすらい人) も回復。けれどそうした音楽のすばらしさが、 演出とはひたすら水と油のまま進んでいました。

「ジークフリート」 「ジークフリート」
「ジークフリート」  
 


「パルジファル」(8月24日)

今年の新制作。ネルソンスが直前に降板し、ヘルムート・ ヘンヒェンが代役で指揮。 将来を担うと目されていたネルソンスだけに気になる降板です。

幕が開くとそこはキリスト教会。爆撃を受けたらしく、 天井には穴が開き、避難してきた市民が横たわっています( 写真1)。グルネマンツはこの教会に仕えており、 そこに黒いヴェールを纏ったイスラム女性風のクンドリが入ってき ます。

第一幕後半、紗幕が舞台を覆ってCG映像に切り替わります。 視点が教会の天井を抜け宇宙空間へと連続的に遠ざかっていき、 この教会が中東に位置していて、 町全体が爆撃で破壊されているということが判明します。 どうもキリスト世界とイスラム世界、 先進国とアラブ国との対立が含意されているようなんですね。 道理で入場チェックも厳しいと思った。

これに続く聖餐のシーンが強烈。教会内の水盤がふたで閉じられ、 その上にアムフォルタスが立つ。 苦悩に満ちた独白の後にアムフォルタスが服を脱ぐと、 わき腹の傷のみならず全身から激しく出血する。 血まみれになったアムフォルタスが両手を広げ背後の十字架と同じ 形をとると、騎士たちはその血を聖杯で受けて飲み干していく。

儀式の後、アムフォルタスは力尽きて倒れ込んでしまう。 筆者はヘルマン・ニッチュのオルギーを連想したほどで、 荘厳で苦悩に満ちた音楽とともに凄まじい迫力がありました( 写真2)。

第二幕。クリングゾルの館はイスラム風に装飾されていますが、 階上には十字架を集めた小部屋も見える。 アムフォルタスは人質として捕らえられており、 そこへ迷彩服を着た救出部隊の一員としてパルジファルが突入。 クンドリの誘惑を振り切るのですが、 代わりにアムフォルタスがふらふらと現れて、 また誘惑されてしまう。筆者はここ、ドン引きでした。 聖餐であんなにつらい思いをしているのに、またって、 バカじゃなかろうか? 聖槍はパルジファル自らぼきりとへし折り、 それで十字を作るんですが(写真3)、 こちらはやり過ぎなんじゃないかとちょっと心配に。

第三幕。寂れた教会の内部には熱帯植物が繁茂している。 パルジファルは頭部まで黒づくめのIS戦士風の出で立ちで帰って くるのですが、いまや老婆となったクンドリに武装を解除される。 そこへ若い女たちが登場、トロピカルな雨が降り注ぐ中、 服を脱いで水浴する(写真4)。写真から分かるように、 素っ裸です。

ティトレルの葬儀の場面では、棺の中に遺体はなく、 力を振り絞り最後の聖餐を行おうとするアムフォルタスに、 どうもその場にやってきた市民たちが抗議しているよう。 クンドリに一度ならず誘惑されたから? パルジファルがこの儀式を引き継ぐと、 市民たちも手にしていたものを次々と棺に入れて和解。 でもなんだか唐突で、 広げた風呂敷きがうまく閉じられたとは思えません。

音楽。フォークトのパルジファルは相変わらずの美声ですが、 美しいだけに前半の愚者ぶりが今一つはまらない。 カーテンコールではグルネマンツのツェッペンフェルトに大喝采。 この人、連日違う役ででずっぱりなのに、スゴいスタミナだ。 筆者はアムフォルタス役ライアン・ マッキニーの第一幕の聖餐で見せた歌唱が胸に残りました。

オケはバランスが悪かったり入りがそろわなかったりで、 ヘンヒェンのリードはちょっと甘いか。それでも、 少ないプローベでよくここまで仕上げたと言うべきでしょう。

「パルジファル」 「パルジファル」
「パルジファル」 「パルジファル」
 


「神々の黄昏」(8月25日)

毀誉褒貶、というか貶すほうが多いカストルフ演出も最終章。

旧東ドイツのダウンタウン。 けばい恰好の3人のノルンの誘惑を振り切り(写真1)、 キャンピングカー暮らしをしているブリュンヒルデのもとに帰って くるジークフリート。いきなり濃厚な2重唱が(写真2)。 今日も二人とも飛ばしてるね。

舞台がまた回転して、 今度はレンガむき出しのビルの脇でひっそりと営業しているケバブ ・スタンドを背景に三人組(ハーゲン、グンター、グートルーネ) の悪だくみが進行する。 奸計にはまったジークフリートとグートルーネ、 さらに拉致されたブリュンヒルデとグンターのダブル結婚式の場面 では、 ダウンタウンの人々がいろんな国旗を持ちながら現れて大騒ぎに( 写真3)。

ここでケバブ屋には「ジークフリート」 でへんてこりんなパントマイムを見せていた男が再登場。 狂乱のうちにケバブがしっちゃかめっちゃかになっていく模様がス クリーンに映し出されます。地元テレビで知ったのですが、 この人、パトリック・ザイベルトという監督助手で、 コミカルな演技がサマになっていました。

ところでこの「黄昏」、 舞台上に旧東独の化学工場のネオンなども出てきますが、 全体としては石油とはあんまり関係がない。 ジークフリートがホームレスの男をぼこぼこにしてしまう場面など から格差がテーマのようにも思えますが、共産圏には建前上、 格差はないはずだよなあ。 時間と場所の設定が曖昧でよくわかりません。

第三幕ではそれまで覆われていた建物から覆いが落ち、 ニューヨークの株式市場が現れます(写真4)。 これが現代のヴァルハラか。 そうすると最後に焼け落ちるわけだよな。わくわく。 ところが最終場では再び舞台がダウンタウンへと回転し、 瀕死のハーゲンが娼婦となったラインの乙女たちによって川流しさ れる映像がスクリーン上に淡々と流される。 4日間も聴いてきたのに、感動もひいた。

音楽は相変わらずよかったです。ハーゲンのシュテフェン・ ミリングが北野映画張りの冷徹かつ暴力的な演技とドスの効いた歌 唱で圧倒的な存在感を放っていました。 ジークフリートのヴィンケもよく歌い切ったし、 最後はかなり調節している感もあったけれどブリュンヒルデのフォ スターも遜色ない出来だった。葬送行進曲でのヤノフスキ& 祝祭管の分厚い響きも素晴らしい。 森を彷徨うハーゲンの映像がなかったらもっと感動したのに。

というわけで、カストルフ演出は飽きなかったけれど、 過剰すぎて筆者にはまとめられません。 音楽との相性は最悪ってことだけは言えますが。 ワーグナーのおひざ元で、それも最高の演奏のもと、 舞台がその魔術的な陶酔感を次々に踏みにじっていく。 この自己犠牲ならぬ自己否定がバイロイトのダイナミズムなんでし ょうか。

もっとも、 帰りに乗り合いタクシーで隣になった初老の男性に化学工場の看板 のことを聞いてみたら、あのマークはよく見ていたよとか、 あそこらへんはすっかり変わってしまったな、 とか旧東出身の他の客と昔話に花を咲かせていました。 意外とドイツ人は私たちの気づかないいろいろなサインを発見して いるのかもしれません。

「神々の黄昏」 「神々の黄昏」
「神々の黄昏」 「神々の黄昏」

(C)Bayreuther Festspiele/Enrico Nawrath

江藤光紀 (音楽評論)

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