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![]() ![]() ![]() [クラシック・ニュース 2017/6/27〜
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2017年6月30(金)
重鎮チェリスト堤 剛といまもっとも注目の若手ピアニスト萩原麻未のデュオ!新譜CD&コンサート! チェロ界の最も重鎮でいまなお第一線で活躍中の堤 剛と若手で最も注目のピアニスト萩原麻未のデュオの新譜CDがリリースされた。またコンサートもまもなく開かれる。 フランクやR・シュトラウスのソナタはチェリストにとって欠くべからざる重要な曲目でなかなか聴きごたえのあるデュオである。三善晃の「母と子のための音楽」が聴かれるのもうれしい。あまり聴き慣れないが2015年に出版譜が刊行されて演奏されるようになった。三善晃の心暖かい心情にあふれた曲である。 萩原麻未は第65回ジュネーヴ国際コンクール優勝、第22回新日鉄音楽賞受賞、第22回出光音楽受賞などの輝かしいキャリアを持っている。
新譜CD情報
![]() 《フランク & R.シュトラウス:ソナタ 堤 剛(Vc) 萩原 麻未(Pf)》
堤 剛:チェロ
コンサート情報
![]() 《堤剛&萩原麻未 デュオ・リサイタル》 堤剛(チェロ)
1)2017年7月2日(日) 14時 戸塚区民文化センターさくらプラザ ホール
2)2017年7月8日(土)15時 Hakuju Hall
◆試聴:堤 剛 NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー) 2017年6月30(金)
指揮:矢崎彦太郎 草津アカデミー&フェスティヴァルで群馬交響楽団と活動 「インタビュー@クラシック」で!そのほか! ![]() 指揮:矢崎彦太郎 指揮:矢崎彦太郎は草津アカデミー&フェスティヴァルに登場して群馬交響楽団と「ウィーンのモーツァルトとブラームス」というテーマで高崎と草津でコンサートが開かれる。草津では「草津フェスティヴァル・オーケストラ」、「草津アカデミー合唱団」とモーツァルトのレクイエムのコンサートも開かれる。 矢崎彦太郎は草津フェスティバルのほか、毎年参加している八ヶ岳音楽祭の話題も聞くことができる。 北壮市は八ケ岳に近く東京から交通の便もよいというロケーションで八ヶ岳やまびこホールが出来て、地元の力をあわせて音楽祭をもり立てるようすも話題にしている。
コンサート情報
![]() 《第38回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル》 ●2017年8月17日(木) 16時 草津音楽の森国際コンサートホール
K.ヤヴールコヴァ−(Hr) ●2017年8月20日(日) 16時 草津音楽の森国際コンサートホール
W.ヒンク(Vn) ![]() ◆群馬交響楽団 ![]() 《2017群響サマーコンサート 第38回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル プレコンサート》 指揮:矢崎彦太郎
![]() ◆その他のコンサート情報 《第11回八ヶ岳音楽祭 in Yamanashi》
指揮:矢崎 彦太郎(元東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団客演指揮者) ◆試聴::ナクソス・ミュージック・ジャパン(NMJ) 2017年6月28(水)
ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン ヨコハマ2017 (MMCJ2017) 6月30日からはじまる! ![]() 指揮:大友直人 アラン・ギルバート MMCJ2017(ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン ヨコハマ2017)は世界の舞台で活躍できる音楽家を育てる場を一流の演奏家のもとで、室内楽を中心に厳しく濃密な研鑽の時を作る目的で、指揮の大友直人とアラン・ギルバートの提唱で始まった。 経済界や教育界文化関係者の協力もあって、MMCJは2001年からスタートしてこれまでに400名を超える修了生を輩出している。2017年は6月30日(金)から7月17日(月・祝)まで開かれる。集大成となるコンサートが下記のように開かれる。
公演情報
![]() MMCJ ガラ・コンサート (講師室内楽コンサート) ◎出演者 ◎曲目
室内楽コンサート(受講生による) プログラムは当日発表 オーケストラ・コンサート 指揮:マイケル・ギルバート、大友直人 ◎曲目
◆MMCJ2017 2017年6月27(火)
豊かな人材でつなぐ「ローム ミュージック フェスティバル 2017」7月1日から ロームシアター京都で! 世界の楽壇に多くの優秀な人材を送り出してきた「ローム ミュージック フレンズ」のメンバーたちが集う見事なコンサートが7月1日からロームシアター京都で開かれる。 これまで「ローム ミュージック ファウンデーション」は音楽文化の発展のため奨学支援などで国内外で活躍している音楽家(ローム ミュージック フレンズ)たちのために貢献してきた。その結実、『ローム ミュージック フェスティバル 2017』が開かれる。5回のリレー・コンサートと京都市交響楽団で2回のオーケストラコンサートが開かれる。 公演情報
![]() 『ローム ミュージック フェスティバル 2017』 1) 2017年7月1日(土)13:00開演(14:30頃終演予定) サウスホール
◎演奏:大谷 玲子/寺田 富美子(ヴァイオリン)、直江 智沙子(ヴィオラ)、門脇 大樹(チェロ)、西山 真二(コントラバス)、伊藤 圭(クラリネット)、中野 陽一朗(ファゴット)、岸上 穣(ホルン) ![]() 2)2017年7月1日(土)16:00開演(17:30頃終演予定) サウスホール
![]() 3)2017年7月1日(土)19:00開演(21:00頃終演予定) メインホール
三ツ橋 敬子(指揮)
![]() 4)2017年7月2日(日)12:00開演(13:30頃終演予定) サウスホール
奥村 友美/川島 基/菊池 洋子/津田 裕也(ピアノ) ![]() 5)2017年7月2日(日)14:45開演(16:15頃終演予定)サウスホール
三上 亮(コンサートマスター) ![]() 6)2017年7月2日(日)17:30開演(19:30頃終演予定) メインホール
三ツ橋 敬子(指揮) ![]() 7)2017年7月8日(土)15:00開演(17:00頃終演予定) サウスホール
樫本 大進(ヴァイオリン)、アレッシオ・バックス(ピアノ)
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◆ローム ミュージック フェスティバル 2017
2017年6月27(火)
CDレビュー:《マイヤベーア:グランド・オペラ》ダムラウ(S) ![]() 《マイヤベーア:グランド・オペラ》ダムラウ(S) ◎曲目
◎作曲:マイヤベーア 〇歌唱:ディアナ・ダムラウ(S)、他
![]() 若き頃からマイヤベーアに関心があったダムラウにとってこれは念願だったプロジェクトだという。主にパリでグランド・オペラ作曲家として活躍、その作品は十九世紀前半から中葉にかけてヨーロッパで絶大な人気があった。後に母国ドイツのベルリン帝室歌劇場の音楽監督を務めたこともある。ここに収められている『ディノーラ』の「影の歌」は今でも広く知られる殆ど唯一のアリアであろうが、近年は彼の作品は脚光を浴びつつあるようだ。 ダムラウは別項の『見い出されたエウローパ』など特別に珍しいレパートリーの解釈者として名があるわけではないが、初期のコロトゥーラ・ソプラノとしての名声に加え、今ではスピントの効いた声を生かして様々な役で活躍している。幅広い声域を少しも無理することなく鮮やかにカヴァーしていて、コロラトゥーラのテクニックの冴えも相変わらず見事という他はない。レシタティーヴォで始まる「影の歌」は抒情的な優しさと超絶的な技巧が見事に交錯しているし、フルートとの絡みのある『北極星』の華やかな歌唱は聴きものである。技巧的なスリルの連続である『エジプトの十字軍』、それに『ユグノー教徒』もダムラウの歌の美質が発揮されている。 このCDがマイヤベーアのオペラの再認識につながることが期待される。 野崎正俊(音楽評論家) 2017年6月27(火)
DVDレビュー:《サリエリ/歌劇『見い出されたエウローパ』全曲》2004ミラノ・スカラ座 ![]() 《サリエリ/歌劇『見い出されたエウローパ』全曲》2004ミラノ・スカラ座 ◎曲目:歌劇『見い出されたエウローパ』全2幕 〇出演:ディアナ・ダムラウ(エウローパ)、ゲニア・キューマイアー(アステリオ)、デジレ・ランカトーレ(セメレ)、ダニラ・バルチェッローナ(イッセオ)、ジュゼッペ・サッバティーニ(エジスト) 〇楽団:ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
![]() 3年間の年月をかけて改修されたスカラ座の再開公演のライヴであるが、いかなるわけか12年余り経った今、ようやくDVDとして発売されるに至った。モーツァルトのライヴァルとして知られるサリエリの作品であるが、これは1778年スカラ座開場に当たって上演されたということで意義深い公演といえよう。 オペラはギリシャ神話に題材を採ったマッティア・ヴェラーツィの台本によっている。物語は、テュロスの王アジェノーレの美貌の王女エウローパはクレタの王アステリオに誘拐されてその妻になり、子供をもうけている。そこでアジェノーレの王位は姪のセメレに譲位されることになり、彼女はフェニキア王の末裔イッセオと婚約する。ところがアジェノーレの死を知ったアステリオはテュロスの王位継承を狙い、エウローパを連れてテュロスに向かう。行方不明だった彼女を見たイッセオは彼女とのかつての恋が蘇るのでセメレは怒るが、最後には彼女はイッセオと結婚、アステリオはエウローパを連れてクレタに帰る。 ダムラウはこの公演によって世界的な名声を得ることになったが、切れ味鋭いコロラトゥーラの超絶技巧を駆使して高音域を見事にこなし、ランカトーレも力強いハイ・ソプラノの魅力を発揮している。本来カストラート役だった役をキューマイヤーとバルチェッローナも存在感十分で、ことにキューマイヤーの歌には真実味がこもっている。ムーティの弾力性に富んだ指揮と、ルカ・ロンコーニの演出を生かしたピエール・ルイージ・ピッツィの簡素な舞台美術と相俟って、古典オペラにふさわしい舞台になっている。 野崎正俊(音楽評論家) 2017年6月27日(火)
東京音楽通信〔217〕 2017年6月後半 小粒ながらきらっと光る
ステファン・ドゥネーヴ指揮ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団 日本ツアー ―― ブリュッセル・フィルは1935年創立で、演奏水準もなかなか高い。世界の主だったオケは、もうどこもだいたい来日しているかと思っていましたが、初来日というのが驚きです。エリザベト王妃コンクールで演奏してきた、という話を聞いて、ようやく「ああなるほど」(6月11日、東京芸術劇場)。 ギョーム・コネソン「フラメンシュリフト」は、オーケストラという伝統的なメディアが豊かに鳴るように作られている。ベートーヴェンへのオマージュということで、運命のモチーフの変奏で始まり、途中にはR.シュトラウスあたりを思わせるセクションもでてきました。こういう曲を聞くと、いわゆる現代音楽の実験的書法や奏法は、表現世界の拡張という名のもとにオケに相当無理な負荷をかけているんだろうなとも思います。ブリュッセル・フィルは身のこなしが軽く、方向転換も魚群のようにしなやか。ドゥネーヴがほとんどリズムを刻まないでも、ぴったりとはまっていた。この曲のレコーディングもしているそうで、呼吸が完璧。 続いてモナ=飛鳥・オットのピアノで「皇帝」(ベートーヴェン)。舞台に向かって張り出した席で聞いていたので、いつもと勝手が違いピアノの音がよく飛んできました。単純に比較できないのですが、どんなフレーズも明晰に鳴っていて、センスよく響きのとらえ方のうまい人のように思いました。オケとも調和的に音楽を作り、ホルンの2人がからっと素朴な音を出していたのも印象的。 後半は「英雄」。コンパクトにまとめ、すいすいと泳いでいくベートーヴェンでした。オーボエが随所で妙技を披露。最初の現代曲に比べると、所々にほころびもありましたが、こういうのは舞台に近いところで聴くと、余計に気がついちゃうんだろうな。 パンクなパガニーニ
シモーネ・ヤング指揮読売日本交響楽団第198回日曜マチネ・シリーズ ―― ハンブルクのオペラを長く率いていたシモーネ・ヤングが読響初登場(6月18日、東京芸術劇場)。 「さまよえるオランダ人」序曲(ワーグナー)。劇的な開始部からは、雷鳴に荒れ狂う海原に翻弄されながらも、陸を目指して力強い航海を続ける幽霊船の姿が浮かんでくる。テンポをあおったり、手綱を引き締めたりして、鮮やかな場面展開を導いていきます。響きがたっぷりと豊か、ワーグナーの鳴りになっているあたり、さすがはオペラ巧者。 ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲」。ソロのネマニャ・ラドロヴィチが登場した時には目を疑いました。長身の体にスリムに着こなした黒のシャツ。テカテカと光る黒のパンツはそのまま黒いブーツに接続。そしてなにより東洋風のエキゾチックな顔立ちを包む大きくもっさりとした長髪パーマ。これはクラシックというよりは、もはやパンクロッカー。 演奏はとてもフランクで好感がもてました。技術がしっかりしていて、暖かい音色で明瞭な音楽像を描く。演奏にゆとりがあり、場面に応じてオーケストラとの絡みもできる。第二楽章の後半に向けて動きを大胆に削っていって、そこから生き生きとしたフィナーレへつないだ構成(これはもっぱらヤングのアイディアか)もよかった。 アンコールでラドロヴィチ自身の編曲によるパガニーニのカプリースをやったんですが、こちらは一転ハンパない超絶技巧ぶりで、真正パンクロッカーになってました。グリッサンドもエレキギターみたいだった。 後半はブラームス「交響曲第二番」。音楽を全体から大づかみし、そこから逆算して細部を詰めていくようなアプローチで、大きく揺らしても方向性が明快なのがいい。フィナーレは早めのテンポながら、急ブレーキをかけたりと楽しませてくれました。きっちりと語りきった感じ。
バッハの世界を拡張する
ドミトリー・シトコヴェツキー・トリオ J.S.バッハの世界 ―― 大ヴェテランのシトコヴェツキーがゴルトベルク変奏曲を弦楽トリオ(ヴィオラ:アレクサンダー・ゼムツォフ、チェロ:ルイジ・ピオヴァノ)で演奏するということで、銀座へゴー(6月21日、銀座ヤマハホール)。 前半は3声のインヴェンションを15曲。最初の数曲は歯切れよく進めていきますが、多声的な動きをしながらも次第に音がなじみ、しっとりとした表現や瞑想的な歌謡も見えてきます。バスがリズム層を担う時にはよくピツィカートが割りふられていて、テクスチュアを軽く見通しのよいものにしていました。ただどの曲もせいぜい2〜3分の持続なので、音楽に気持ちが入っていく手前で曲が終わってしまう。 でも、それもゴルトベルクの前座としての戦略的な選曲だったようにも思います。同じく各変奏2〜3分ですが、この長大な変奏曲のもつ深みが、弦楽トリオの濃厚な歌いこみにより、ヴィヴィットに出てきた。 簡素ながら清潔な和声の上に、ヴァイオリンが薄く軽やかにテーマを歌い出すと、そこからめくるめく時間が流れ出し、遂には宇宙的な広がりにまで達していくのです。様々な声色を使い分け、時にはチャーミングに、時には堂々と語りかける。ピッツィカート一つをとっても、駒に近いところのシャープな響きから、指板のほうに寄せた湿った音、一番弾力のある部分を組み合わせて、刻一刻と表情を変えていく。バッハのテクストに書き込まれている音符が、実に豊かなアイディアで飾られていきました。 雄大に膨らむ最終変奏から、静かにテーマが戻ってくるところも大変に美しかった。300席余のヤマハホールで、細やかなニュアンスをじっくり鑑賞できたのも得難い体験でした。
斬新な「ボエーム」
NISSAY OPERA 2017 プッチーニ「ラ・ボエーム」 ―― 見所のおおいボエームでした(6月24日、日生劇場)。まず宮本益光による日本語訳詞上演。ミュージカル的なお手軽さとか、日本語だと間延びしちゃうとか、それでも字幕がないとよく聞き取れないところがあるとか、最初いろいろ違和感も感じたけれど、どれも意外とすぐ慣れました。言語障壁がないのは圧倒的に楽。それと日本人なのに外国語で歌っているよりは、日本人が外国の劇を演じているという感じのほうが自然。 次に演出。この公演は平成20年に五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞した演出家の伊香修吾の海外研修成果報告も兼ねていたんだけれど、幕間に登場人物たちの思い出話を入れて、回想の枠を被せるというアイディアがよかった。冒頭にミミの墓に献花する寸劇をみせておいて、最後の場面で屋根裏部屋を一気に崩し、最初の空間へとトリップしたのも意表を突いた。 歌唱では、なんといってもロドルフォの樋口達哉の魅力を満喫しました。なめらかな歌唱、力強く張りのある声、シャープな動きと的確な演技。全身からエネルギーがあふれていて、まさにいまが旬。あまりの存在感にミミの北原瑠美の健闘もかすんでしまうほど。芸術家たちのアンサンブルは息があっていて、最終幕のコミカルなダンスも楽しめました。 装置はところどころデジャ・ヴ感があった。指揮の園田隆一郎はきっちりとまとめるので、あまりイタリアものの専門家という感じがしないのですが、今回も安定感ありました。オケは新日フィル。
江藤光紀 (音楽評論)
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