日本のコーラスとかかわりをもって!ヴェルディのスピリットとは!
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http://www.youtube.com/watch?v=AekZhy7m6n8
〈話の前半部分〉
数回に及ぶスカラ座との日本ツアーの機会に、日本の皆様に知り合い、皆様がどれだけイタリアの音楽に対して情熱をお持ちかということを知る事ができました。
それは、2006年に東京で合唱団へのヴェルディのレクイエムの指導を依頼された時に、日本へ行きイタリアの歌唱法の美しさとそのメッセージを日本の合唱団へ伝えなくては・・・という大きな意欲と力を私に与えてくれる事になりました。
日本の合唱団からは、私の指導を通してイタリア音楽の世界を学びたいという強い意志が感じられました。
ヴェルディは、全ての旋律を言葉を基にして描いた偉大な作曲家でしたので、歌唱技術についてだけではなく、「どうしてこの部分の音楽的フレーズがこの言葉と結ばれてるのか」も説明しなくてはなりません。ヴェルディの言語の深い部分にも入っていかなくてはならなかったのです。なぜなら、日本とイタリアには根源を別にする違う文化が存在するので、我々の文化を理解して自分のものにしていただく事によりヴェルディの言語をよりよく表現できるのです。
〈話の後半部分〉
私も、その時参加していた全ての合唱団員の方達が、確信を持ってくださったことを祈ります。私の来日後初めての稽古の時には、合唱団は確かにヴェルディの書いた音を歌う準備はできていました。が、「どうしてその音がそこにあるの か」・・・は全く考えられていませんでした。そこでその点を一緒にたくさん勉強したのを覚えています。
イタリアの歌の技術を使って、音の裏にあるメッセージに到達するという事。楽譜上の“サイン”を見出し、そのサインを表現しなくてはならないのは明白です。それを可能にするためには、そこまで行き着く行程を理解する事が必要です。そこへ行き着くまでの作曲家の思い。我々の課題はそのサインが歌う人から理解される事、さらにその我々の努力と結果がそれを聴く方達からも同様に理解される・・・という事なのです。 |