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■ ロベルト・ガッビアーニ(指揮)


Photo:M.Yabuta

東京春音楽祭でイタリアからやってきて、合唱団を指導した:ロベルト・ガッビアーニが「スーパー・コーラス・トーキョー特別公演」のプロジェクトででふたたび日本の合唱団ととり組むことになった。彼は昨年のデビューコンサートでヴェルディの「レクイエム」の公演を見事にまとめ、大きい成果を生んだ。これまでスカラ座の日本公演でもその活躍ぶりを示していたが日本の合唱団との共演でその素晴らしい真価を知らしめた。合唱界の巨匠:ロベルト・ガッビアーニが語る。

関連情報
合唱界の巨匠:ロベルト・ガッビアーニに聞く!
スーパー・コーラス・トーキョー特別公演の合唱にむけて!!
(2011年8月8日(火))


日本のコーラスとかかわりをもって!ヴェルディのスピリットとは!
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http://www.youtube.com/watch?v=AekZhy7m6n8

〈話の前半部分〉
 数回に及ぶスカラ座との日本ツアーの機会に、日本の皆様に知り合い、皆様がどれだけイタリアの音楽に対して情熱をお持ちかということを知る事ができました。

それは、2006年に東京で合唱団へのヴェルディのレクイエムの指導を依頼された時に、日本へ行きイタリアの歌唱法の美しさとそのメッセージを日本の合唱団へ伝えなくては・・・という大きな意欲と力を私に与えてくれる事になりました。

 日本の合唱団からは、私の指導を通してイタリア音楽の世界を学びたいという強い意志が感じられました。

 ヴェルディは、全ての旋律を言葉を基にして描いた偉大な作曲家でしたので、歌唱技術についてだけではなく、「どうしてこの部分の音楽的フレーズがこの言葉と結ばれてるのか」も説明しなくてはなりません。ヴェルディの言語の深い部分にも入っていかなくてはならなかったのです。なぜなら、日本とイタリアには根源を別にする違う文化が存在するので、我々の文化を理解して自分のものにしていただく事によりヴェルディの言語をよりよく表現できるのです。

〈話の後半部分〉
 私も、その時参加していた全ての合唱団員の方達が、確信を持ってくださったことを祈ります。私の来日後初めての稽古の時には、合唱団は確かにヴェルディの書いた音を歌う準備はできていました。が、「どうしてその音がそこにあるの か」・・・は全く考えられていませんでした。そこでその点を一緒にたくさん勉強したのを覚えています。

 イタリアの歌の技術を使って、音の裏にあるメッセージに到達するという事。楽譜上の“サイン”を見出し、そのサインを表現しなくてはならないのは明白です。それを可能にするためには、そこまで行き着く行程を理解する事が必要です。そこへ行き着くまでの作曲家の思い。我々の課題はそのサインが歌う人から理解される事、さらにその我々の努力と結果がそれを聴く方達からも同様に理解される・・・という事なのです。

日本のコーラスへのアドバイス
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http://www.youtube.com/watch?v=ufrAv4-fBKQ

 2006年からの日本の合唱団との何回かの仕事を通し、日本の合唱団の皆さんがどれだけ「イタリアの音」により近づきたいという強い希望を持っているかに気 づきました。

 全ての歌手、声楽の学生、日本のプロの皆さんにとって、イタリアの音の土 台である「息のテクニック」を常に勉強する事がとても大切だと思います。日本語とイタリ ア語の言語間には典型的な違いがありますので、イタリア語の深みをよりよく理解するために日本語から離れ、そして息の支えを土台として、我々の声の基本的な形成箇所である発声器官の中で作られる響きに基礎を置くのです。この訓練に終わりはありません。ですので、このタイプのテクニックの勉強を常に続ける事がとても大切だと信じています。勉強し、 円熟するという事です。

モーツアルトのレクイエム、ブルックナーのテデウムの演奏の意味
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http://www.youtube.com/watch?v=soJO-BiwUfE

〈話の前半部分〉
 今回、モーツァルトのレクイエムの演奏にレヴィン版が選ばれたのは、様々な音楽学者達により研究がなされ、「モーツァルトの思いはこうであったのだろう」・・・という真の姿に到達したものと考えられたからです。
2世紀に渡り、モーツァルトの残したメモをもとにしたジュスマイヤーの版が多く演奏され続けました。ですが、近年、レヴィンを含む音楽学者達が、当時の伝統的スタイルを追究した大掛かりな研究の結果、モーツァルトの想いにさらに忠実だと考えられる編作が生み出されました。その一つが、今回我々が演奏しようとしているレヴィン版です。モーツァルトのオリジナルの楽想により近いものと言えるでしょう。

〈話の後半部分〉
 今回のミュージック・ウィークス・イン・トーキョーのプログラムを考えるのにあたっては、やはり、日本を襲った震災・津波への思いから選曲しました。
モーツァルトの「レクイエム」は、震災で犠牲となった方々への鎮魂の意を込めて、またその祈りと同時に、この偉大な国、日本の地を襲った悲劇からの復興への祈りを込めています。
人生は常に前に進んでいかなくてはなりません。自然が我々にもたらしたネガティブな出来事の中でも、皆で一緒に生きていく力を振り絞り復興に向かい、できる限りのポジティブな部分を見つけ生き続けなくてはなりません。
ブルックナーの「テ・デウム」は、カトリックの精神からも、象徴的な「兄弟愛の絆」という大きな意味を与えてくれる、未来への歩みを意味する曲だと考えられます。
 
 皆が一緒に手をつなぎ、災害をもたらした自然が、いつかはまた人間に喜びをもたらしてくれる事を神に願い、日本の全ての皆様が力をあわせ、ポジティブに前を向いて生きていこうというメッセージが込められています。

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