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インタビュー@クラシック
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[クラシック・ニュース 2017/12/12〜 12/18]
2017年12月5(火)
クリスマス向けの好企画 おすすめCD: 《めでたし海の星 −軽井沢のクリスマス 早島万紀子(オルガン)、波多野睦美(メゾ・ソプラノ)》
《めでたし海の星 −軽井沢のクリスマス 早島万紀子(オルガン)、波多野睦美(メゾ・ソプラノ)》

《めでたし海の星 −軽井沢のクリスマス 早島万紀子(オルガン)、波多野睦美(メゾ・ソプラノ)》

1-3 作者不詳 17世紀:めでたし海の星
4 L.C. ダカン:ノエル第11番「ティエルスによるノエル」
5.グレゴリオ聖歌:今日、キリストは生まれたまいぬ*
6.P.F.ダンドリュー:歌いましょうマリアのために*
7.M. コレット:プロヴァンス地方のノエル、
8.ブルゴーニュ民謡 18世紀:パティパタパン*
9.イギリス民謡:マリアのひざに眠るのは*
10.カタロニア民謡:鳥の歌*、
11.J.J. ボーヴァルレ= シャルパンティエ:スイスのノエル
12.C. バルバストル:このよき日に(ブルゴーニュのノエル)
13.D. ブクステフーデ:甘きよろこびのうちに*
14-18.J.S.バッハ:カノン変奏曲「高き御空よりわれ来り」BWV769

早島万紀子(オルガン)、波多野睦美(メゾ・ソプラノ)*

録音:2013年4月21-24日、軽井沢コルネ
RGCD-1035(2013年11月21日発売)  価格¥2,900+税
レグルス
http://www.regulus-classics.com/albums/index.html#hayashima_hatano

まさに雪に包まれた軽井沢のコルネで聴くコンサートにふさわしい内容のCDといえる。クリスマス向けの好企画である。

フランスのオルガンビルダー:ベルナール・オーベルタンによて製作された楽器である。天井から音が降り注ぐというような感じではない。柔らかくオルガンに包まれるという表現がぴったりする。早島万紀子のオルガンとメゾの波多野睦美の演奏は知られた名曲にも彩 られ味わいぶかい。

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2017年12月16(土)
音楽批評・評論 ウェブマガジン《メルキュール・デザール》第3回年間 企画賞2017を発表した!

音楽批評・評論のウェブマガジンMercure des Arts メルキュール・デザール(編集長/丘山万里子 http://mercuredesarts.com の2017/12/15号で2017年の優れた企画を表彰する年間企画賞が発表された。メルキュール・デザール執筆陣による選出で、今回は1~3位までの発表となった。


写真提供:びわ湖ホール

◆【1位】
アーサー・サリヴァン コミック・オペラ『ミカド』(日本語上演/日本語・英語字幕付)
♪びわ湖ホール オペラへの招待
2017年8月5,6日@滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール
♪平成29年度 新国立劇場 地域招聘オペラ公演 びわ湖ホール
2017年8月26,27日@新国立劇場 中劇場
★参考レビュー
http://mercuredesarts.com/2017/09/14/gilbert_sullivan_mikado-biwako/
http://mercuredesarts.com/2017/09/14/sullivan_mikado_nntt-tohdoh/
★参考記事
http://mercuredesarts.com/2017/05/13/back-stage_biwako-hall_opera_mikado/

◆【2位】
『忘れられた音楽ー禁じられた作曲家たちー「Cultural Exodus」証言としての音楽ー』<東京・春・音楽祭 ディスカヴァリー・シリーズvol.4>
2017年3月20日@上野学園 メモリアルホール 
参考レビュー
http://mercuredesarts.com/2017/04/13/forgotten_music/
★参考記事
http://mercuredesarts.com/2017/06/13/vienna-exil-arte-sano/

◆【3位】
コンポージアム2017 ハインツ・ホリガーの音楽『スカルダネッリ・ツィクルス』
2017年5月25日@東京オペラシティ コンサートホール
★参考レビュー
http://mercuredesarts.com/2017/06/13/compo2017-heinz-holliger/

贈賞理由はそれぞれ以下。

【1位】
ジャポニズム、オリエンタリズムを逆手にとった中村敬一演出の軽快痛快な舞台。びわ湖と新国立劇場の東西2箇所における公演により、日本の東西の「笑い」の差異自体をも複眼的に意識化して見せ、また歌手やアンサンブル・メンバーに、オペラ劇場としてのびわ湖ホールの底力が示され、東西にわたる好企画として最も高い評価を得た。

【2位】
第20回国際音楽学会東京大会2017のシンポジウム<亡命の音楽>と連動した企画で、オーストリアからナチスに追われ過酷な運命を生きた作曲家の作品を取り上げたコンサート。作品の発掘と再評価の意義とともに学術的な点でも優れた内容の企画と評価が高かった。

【3位】
ホリガーの最重要作・最高傑作『スカルダネッリ・ツィクルス』の日本初演、作曲者自身の指揮のもと、彼の意図を正確に再現できる選りすぐりの演奏家が一同に会するというまたとないコンサート。チケットを低額に抑え、一般的な音楽ファンを「この価格なら聴いてみよう」と取り込むことに成功。関係者の企画力と実現力に敬意を、との評価を得た。

第3回年間企画賞2017
http://mercuredesarts.com/2017/12/14/most_valuable_plan_year_2017/

 

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2017年12月12(火)
ヴァイオリン:千葉純子 リサイタルをひかえ「インタビュー@クラシック」で!
ヴァイオリン:千葉純子
ヴァイオリン:千葉純子

ヴァイオリンの千葉純子はひさびさに取り組むリサイタルで、東京オペラシティと故郷の山梨の公演を行う。演奏会を前の「インタビュー@クラシック」で語る。

「インタ ビュー @クラシック」
http://classicnews.jp/interview/index1191.html

ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイ女史に学ぶ。カーネギーリサイタルホールでのニューヨークデビューなどをへて、多くのオーケストラとの共演を重ねる。現在、ソロや室内楽や紀尾井シンフォニエッタ東京ののメンバーとしてさまざまな演奏活動を行っている。また後進の指導にもエネルギーを注いでいる。

ピアノの浦壁信二とは長年にわたり、良きパートナーとして多くのコンサートをともにするなど信頼を寄せている。

出身地山梨では千葉純子の若かりし日のデビューから彼女の活動を支えてきた人たちがいる。今回も彼女の愛娘の若生麻理奈とともにショスタコーヴィチの2台のヴァイオリンとピアノの5つの小品で同じステージに立つ。若生麻理奈はつい最近「全日本学生音楽コンクール」の全国大会でバイオリン部門小学校の部門で第2位をえた。


コンサート情報
千葉純子ヴァイオリンリサイタル 2017

千葉純子ヴァイオリンリサイタル 2017
《千葉純子ヴァイオリンリサイタル 2017》
2017年12月16日(土)14時 東京オペラシティリサイタルホール

千葉純子(ヴァイオリン)
浦壁信二(ピアノ)

  • ストラヴィンスキー:「イタリア組曲」
  • シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 作品105
  • ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品 
  • R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品18

入場料金:<全自由席>東京=4,000円
チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード342-107 ) 
お問い合わせ:090-4747-2882
アウローラ・クラシカ:044-819-5868
東京オペラシティーチケットセンター:03-5353-9999

山梨・甲府公演
2017年12月24日(日)13時30分 桃源文化会館 音楽ホール
山梨公演では愛娘の若生麻理奈(Vn)と一曲共演する。

ショスタコ―ヴィッチ:2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品より

入場料金 山梨:3,500円<全自由席>
お問い合わせ:千葉純子後援会Tutti 055-224-3248
桃源文化会館055-284-3411
http://www.shirane-togen.jp/togen-event.html

チラシ(PDF/1.6MB)
※こちらのPDFを印刷して、チラシとしてご利用いただけます。

注:若生麻理奈に関する情報
毎日新聞 クラシック公式ブログより
http://blog.mainichi-classic.jp/
【全日本学生音楽コンクール】全国大会バイオリン部門 審査結果
12月3日開催の「第71回全日本学生音楽コンクール」全国大会・バイオリン部門の結果は下記の通りです。(敬称略)
【小学校の部】
第1位 村田夏帆
第2位 若生麻理奈
第3位 荒川桐真
横浜市民賞 荒川桐真 

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2017年12月12日(火)
東京音楽通信 〔225〕 2017年11月(その2)

前回のミュンヘン訪問の続きです。

老巨匠の奮闘

マウリツィオ・ポリーニ リサイタル ―― ポリーニはミュンヘンでは当地のエージェント、ヘルトナーゲルの招聘でよく演奏していたので、私は留学時代何度も聴くことができました。今回プログラム終了後に花束を贈呈していたおじさんはその頃からの人で、Wikiによればヘルトナーゲル氏はもう90歳だそうですから、ご本人ではないようですが、何せ私の留学も20年近く前なので、この花束贈呈のおじさんも年をとったなあ(11月13日、ヘルクレスザール)。

前半はシューマン。「アラベスク」のロンド主題はさらっと弾き始めたものの、直ぐに鉄骨を入れたみたいな剛毅な響きに。この硬軟の交代が楽しい。

「クライスレリアーナ」。音の一つ一つが太い柱のような存在感を持ち、がっしがっしと組み立てていく。ピアノをこうやってシンフォニックに鳴らすのがポリーニの真骨頂。でも、最後の「早く、遊びながら」では昔は見られなかったちょっとした緩みも見えた。やっぱり鉄人も年を取るのね。

後半はショパン。旋律を華麗に歌わせた作品55の2つのノクターンに続いて「ソナタ第三番」。第一楽章第一主題も凄い圧で、続くスケルツォもエネルギーを放出。続くラルゴは秩序だった構成美で聴かせてから疾走するフィナーレへ。アンコールは「スケルツ四番」の大盤振る舞い。

凄い演奏だったけれど、ポリーニは一分の隙もない昔のイメージが強すぎて、いろいろ気になってしまいました。とはいえまだまだ十分な迫力。誰だって加齢には勝てないわけですが、そこをどう補い、どういうスタイルに変わっていくのかというあたりも気になりました。



シューマンの珍作に光

ミュンヘン・ミュージック大オーケストラ・シリーズ アレン・アルティノグリュ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 ―― 先月、日本でもシェフのユロフスキと共に久々に健在なところを見せてくれたロンドン・フィルが、ちょうどミュンヘンにも登場。こちらは日本ではまだまだ知られていないアルティノグリュが振る。面白そうなのでゴー(11月15日、ガスタイク・フィルハーモニー)。

ラヴェル「クープランの墓」。アルティノグリュはフレーズごとに細かくアクセルを踏んだり、ブレーキをかけたり、内声をちょっと浮かび上がらせたり、普段は聴こえない声部を強調したりと、アンサンブルにかなり手を入れていきますが、どれかが突出するということがなく、全体として中庸というあたりに収まっているのがバランス感覚。オケは柔らかな木管、しっとりとした弦で応えていました。

シューマン「ヴァイオリン協奏曲」は最晩年の狂気の淵で作られた作品で、クララが全集から外したといういわくつき。今日でも滅多に演奏されず、コパチンスカヤのようなソリストでなければツアーでわざわざやる曲ではないでしょう。ガスタイクも空席が目立ちましたが、少なくとも日本では絶対に無理。

演奏も徹底した異化ぶりが特徴的。第一楽章のテーマから、フレーズの区切り目ごとに減速してぶつぎれというか、息も絶え絶えといった感じで進んでいく。第二楽章は思いっきり音量を落として、終始静謐な音楽。コパチンスカヤは素早い弓運びによって音が裏返る寸前の、強く刺激的なアタックで造形していきますが、それが一層音楽の異形さを際立たせます。難しそうな割には演奏効果もあまり上がらない曲で、クララとブラームスがこれを無きものにしようと思ったのも、故人の名誉をおもんばかってのことだったのでは。

アンコールは重音フラジオレットのトリルという難度の高い技巧を織り込みつつ、所々でティンパニやトランペットが合いの手を入れる。狂気の淵にあったシューマンの亡霊が歩いているような作品で、コパチンスカヤは内心こちらがやりたかったんじゃないの!?

後半はベートーヴェン「英雄」。全体としては爽快なテンポを取りつつも、その印象が壊れない範囲で細かく手を入れていく。第三楽章のホルンはどんと出て強烈に自己主張、先月に続いてその健在ぶりを確認しました。



すかっとしない物語とすかっとする音楽

モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」 ―― ここで日本に戻りましたが、近づく冬の気配も何のその、11月後半も東京の音楽シーンは燃えていました。特に今月はバロックオペラの当たり月で、紀尾井の「オリンピーアデ」も良かったですが、こちらも歌手・演奏ともに役者揃い(11月23日、東京オペラシティ)。

登場人物の多いオペラですが、でてくる歌手、でてくる歌手、総じて水準が高かった。小林沙羅は、愛の神アモールをいたずらっぽい子供として時にユーモアを交えて表現。波田野睦美は情念の女オッターヴィアを、時に激しい感情をむき出しにして歌いきりました。森谷真理のドゥルジッラは第三幕の歓喜から絶望へ、という落差がしっかりと伝わってきた。

しかしこうした素晴らしい歌手を向こうにしても森麻季の美声ぶりは別格。その歌は空間を優美にしなりたゆたう。ネローネ(レイチェル・ニコルズ)が現在のかみさんを捨てても一緒になりたい、という欲望がなんともリアルに感じられました。

このオペラは寝取られた側が島流しになり、寝取った側が皇后になるという、すかっとしない幕切れに加え、ストーリーとしては二幕で終わり、第三幕の多くは結婚の祝福に費やされる。今の感覚でいうフィナーレを50分かけてやるので、一見するとバランスが悪い感じがするんだけれど、ラストにかけてはモンテヴェルディのインスピレーションがはじけて、音楽の充実ぶりが凄い。ラストのネローネとポッペアのデュオは、永遠の中に溶けていくような余韻を残した。

鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパンは雅やかなアンサンブルで、歌の周りに音の木の葉を美しくちりばめていく。アリアの間に挟まれるリコーダーやコルネット、珍しいバロックの管楽器が、素朴かつ繊細なセンスで世のはかなさを伝えていました。演奏会形式ですが、オケの前方と後方に簡易な台が置いてあって、神の世界と世俗界の違いを始め、シチュエーションの変化をうまく位置関係に翻訳していました(舞台構成:田尾下哲)。

気高きディーヴァ

藤沢市民オペラ プッチーニ「トスカ」 ―― 実は日本は市民オペラ大国。全国津々浦々で一般参加型のオペラ公演が行われています。なかでも藤沢市民オペラは草分け的な団体。今年は新体制の最終年ということで、成果を拝見しに(11月25日、藤沢市民会館)。

まず舞台が豪華なのにびっくり。装置がしっかりしていて、特に第三幕は宮殿の屋上の感じが、奥の朝焼け前の夜空とともによく再現されていた(演出・粟國淳)。トスカの身投げのシーンが栄えた。

市民オペラといっても主要役は藤原・二期会などの歌手が入る。砂川涼子は小柄な体にパワーを秘め、情熱的なトスカに仕上がっていた。カヴァラドッシの村上敏明は苦しそうなところもありましたが、声はよくでていて、ここぞというところでのアピール力もあった。スカルピアの大沼徹は、美声で舞台姿も凛として格好いい。問題があるとすれば悪のオーラが全く感じられない点。歌えば歌うほど、これでトスカが惚れないのはおかしいだろう、と。

オケも舞台のテンポを引っ張ってしまうところもなきにしもあらずでしたが、アマチュアでここまでやれれば大したものです。園田隆一郎のリードで全体の流れも危なげなかったし、テ・デウムで見せた合唱団の結束も立派でした。市民オペラは聴きにきている人たちも、オケや合唱団員のお友達とか、子息が児童合唱団に入っているとかで、会場全体に何ともいえない一体感がある。昭和のレトロ感を残した会場(2階席が日比谷公会堂並の急勾配)も雰囲気満点で、心地のよい遠征と相成りました。



鳥たちの狂い鳴き

シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団 メシアン「アッシジの聖フランチェスコ」 ―― 今年の読響定期の目玉、メシアンのオペラ「アッシジの聖フランチェスコ」は上演に6時間近くかかる超大作。カンブルランはこれをすでに24回も振っているそうです(11月26日、サントリーホール)。

ストーリーは聖フランチェスコの伝説の中から、皮膚病患者を直すとか(第一幕)、鳥に説教をするとか(第二幕)、聖痕のくだりとか(第三幕)、よく知られたエピソードをとってきてオペラに仕立てている。ほとんどがアリアというよりは朗唱に近いスタイルで、オラトリオ風ではありますが、メシアンの情景描写力が素晴らしく、舞台付きで見れたらな、と途中何度も思いました。

音楽はライトモティーフ風に進みますが、ワーグナーみたいに切れ目なく流れるのではなく、ワンフレーズ進むと総休止して全然違う音楽が続くというブロック構造。最初のほうはこれにどうも乗れませんでしたが、第一幕第3景「重い皮膚病患者への接吻」で激しい苦痛を訴える患者が秘跡によって回復すると、音楽はみるみるうちに輝かしい愉悦へと変化し、一気に目が冴えました。

第二幕は天使が現れてフランチェスコの篤い信仰心を讃えた後、鳥たちの狂おしいさえずりに移る(第6景)。ここはお互いに独立して動く木管セクションが高速の変拍子で絡まり合う、みるからに難しい場所ですが、カンブルランの精密なタクトさばきが炸裂。流れるような展開にしびれました。

ここらへんで「今日はスゴいことになりそうだ」という感じが、そこはかとなく漂いだしたのですが、第三幕はさらにスゴかった。聖痕のエピソードの後、フランチェスコの昇天でオケと合唱が一体になって官能と法悦を歌い尽くす。末尾に近づくに連れてパワーはいやましに増し、最終和音で放出されるエネルギーで椅子に釘着けにされました。

私は大学生の時にCDでこの曲を聴いていますが、こんなアッシジが日本の団体によって聴ける日がくるとは、その頃は思ってもいなかった。



ロシアン・ピアニズムの粋

エリソ・ヴィルサラーゼ&アトリウム弦楽四重奏団 ―― ヴィルサラーゼは最近よく来日しているので気になっていたのですが、アトリウムSQとの共演を聴く機会に恵まれました(11月28日、紀尾井ホール)。

まずはモーツァルト「ピアノ四重奏曲第一番」ですが、ピアノの音が大きい! 太い音で描かれる旋律線は大粒の真珠のネックレスみたい。残り3人を食っちゃうほどですが、無理して出しているのではなく、これがナチュラルな状態のよう。ややあって弦の鳴りがでてきてバランスがとれた。アトリウムも丁寧なアンサンブルで、ずいぶんとシンフォニックなモーツァルトでした。

ショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏」は、比較的シンプルに作られ演奏者の個性がでる曲。冒頭の激しいフォルテからきらきらと輝くようでした。第三楽章で腕が鍵盤の両側に延びるところで、派手なミスタッチがありましたが、それが目立つのも音がでかいから。第四楽章で密やかな歌が満ちていった後、ピアノが厳しいメロディーを奏するときの硬質で力強い表情が心に残った。

私は詳しいことは分からないんですが、ロシアン・ピアニズムって19世紀にその根があるようで打鍵も独特、っていう話をどこかで読んだことがあります。確かにヴィルサラーゼはちょっと他にない独特の表現力を持ったピアニストです。アトリウムは第一ヴァイオリンが今回は代役(セルゲイ・マーロフからボリス・ブロフツィンへ)で、セカンドと少しタッチが異なっていた。

後半はさらにシューベルト、シューマンと続くタフなプログラムでしたが、前半で十分聴いた上に体調も万全でなかったので前半で失礼しました。



江藤光紀 (音楽評論)

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